【初心者におすすめ!】肩をでかくするオーバーヘッドプレスのやり方やメニューを徹底解説!

「肩を大きくしたい」「たくましい上半身を手に入れたい」そんな願いを持つ筋トレ初心者の方に、ぜひ知っていただきたい種目があります。
それがオーバーヘッドプレス。
バーベルやダンベルを頭上に押し上げるこのトレーニングは、見た目以上にシンプルでありながら、肩だけでなく全身を効率よく鍛えられる優れた種目です。

ジムに通い始めたばかりの方は、ベンチプレスやマシントレーニングに目が行きがち。
しかし、オーバーヘッドプレスこそが、理想的な肩幅と強靭な体幹を手に入れるための最短ルートとなります。
本記事では、その魅力と正しいやり方を初心者向けに徹底解説していきます。

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目次

オーバーヘッドプレスとは肩を効率よく鍛える基本種目

オーバーヘッドプレスは、立った姿勢からバーベルやダンベルを肩の位置から頭上へと押し上げるトレーニング。
動作そのものは非常にシンプルですが、その裏には全身の筋肉を総動員する複雑なメカニズムが隠れています。

この種目が持つ特徴を理解することで、なぜ初心者におすすめなのかが見えてきます。
以下、4つのポイントから詳しく見ていきましょう。

  • 鍛えられる部位は肩や腕・体幹など
  • 肩幅・上半身シルエットを変える効果がある
  • 多くの名称・バリエーションがある
  • 筋トレを始める初心者に最適な種目である

鍛えられる部位は肩や腕・体幹など

オーバーヘッドプレスの最大の魅力は、一つの種目で複数の筋肉を同時に鍛えられる点にあります。
主に働くのは肩の筋肉である「三角筋」ですが、それだけではありません。

主に鍛えられる筋肉は以下の通り。

まず、三角筋の前部と中部が重点的に刺激されます。
肩の丸みや厚みを作り出す最も重要な部位で、バーベルを押し上げる動作の中心的な役割を担う部分。
次に、腕の裏側にある上腕三頭筋が活躍します。
肘を伸ばす動きで強く働き、二の腕を引き締める効果が期待できる筋肉です。

さらに、肩甲骨周りの僧帽筋も見逃せません。
肩甲骨を安定させ、上方へ動かすために不可欠な筋肉で、首から背中にかけての厚みにも貢献します。

補助的に働く筋肉群も豊富。

立った姿勢でバーベルを支えるため、体幹の筋肉群が総動員されます。
腹筋群(腹直筋・腹斜筋・腹横筋)は、バーベルの重みで腰が反らないよう体を安定させる役割を果たします。
背中側では脊柱起立筋が働き、上半身をまっすぐに保つサポート。

このように、オーバーヘッドプレスは「肩のトレーニング」という枠を超えた、全身運動としての側面を持っています。
地面から得た力を脚から体幹を通して肩、そして腕からバーベルへと伝える一連の流れは、まさに筋力の連鎖。
座って行うマシントレーニングでは得られない、実用的な筋力を養うことができるのです。

肩幅・上半身シルエットを変える効果がある

見た目の変化を求めて筋トレを始める方は少なくありません。
オーバーヘッドプレスは、その期待に応えてくれる種目の一つ。

肩幅を広く見せる効果が最も顕著です。
三角筋の前部と中部が発達することで、肩に丸みと厚みが生まれます。
これにより、Tシャツを着たときのシルエットががらりと変化。
相対的にウエストが細く見えるため、いわゆる「逆三角形の体型」を作り出せます。

男性であれば、がっしりとした力強い印象を与えられるでしょう。
女性の場合も、ノースリーブを自信を持って着られるような引き締まった肩周りと二の腕が手に入ります。

姿勢改善の効果も見逃せません。
デスクワークが多い現代人は、猫背や巻き肩になりがち。
オーバーヘッドプレスを正しいフォームで行うことで、肩甲骨周りの筋肉が適切に動くようになります。
これにより、胸が自然に開き、背筋が伸びた姿勢を保ちやすくなるのです。

加えて、基礎代謝の向上という嬉しい副産物も。
複数の大きな筋肉群を同時に使うため、エネルギー消費が高まります。
筋肉量が増えれば、安静時にも多くのカロリーを消費する体に変わっていくでしょう。

日常生活でも実感できる変化があります。
高い棚の物を取る動作や、重い荷物を頭上に持ち上げる作業が楽になったと感じるはず。
スポーツをされている方なら、バスケットボールのシュートやバレーボールのスパイク、テニスのサーブといった動作のパフォーマンス向上も期待できます。

多くの名称・バリエーションがある

オーバーヘッドプレスを調べていると、似たような名前の種目がいくつも出てきて混乱するかもしれません。
実は、これらは基本的に同じ動作を指していることが多いのです。

主な呼び名を整理しましょう。

「ショルダープレス」は最も一般的な呼び方の一つ。
肩(ショルダー)を鍛える押す(プレス)動作、という意味で、オーバーヘッドプレスとほぼ同義で使われます。

「ミリタリープレス」という名称もよく耳にするでしょう。
元々は軍隊式の厳格な姿勢(かかとを揃えた直立不動)で行うプレスを指していましたが、現在では立位で行うバーベルプレス全般を指すことも。
より厳密なフォームが求められる印象があります。

主なバリエーションも押さえておきましょう。

バーベルを使うかダンベルを使うかで、トレーニングの性質が変わってきます。
バーベル版は両手が固定されているため、より高重量を扱えて筋力向上に最適。
一方、ダンベル版は左右が独立しているため、筋力のバランスを整えやすく、関節への負担も軽減できます。

座って行う「シーテッド・ショルダープレス」は、下半身を使わないため純粋に肩と腕の筋肉だけを集中的に鍛えられる種目。
初心者や腰に不安がある方にも取り組みやすいでしょう。

反対に、膝と股関節の曲げ伸ばしを使って反動をつける「プッシュプレス」という種目もあります。
これは通常のオーバーヘッドプレスより重い重量を扱えるため、上級者向けのパワートレーニングとして活用されています。

床に座った状態で行う「Zプレス」は、体幹の強さが試される高難度バリエーション。
ごまかしが一切効かないため、体幹強化と姿勢改善に効果的です。

筋トレを始める初心者に最適な種目である

「オーバーヘッドプレスは上級者向けでは?」と思われるかもしれませんが、実は初心者こそ取り組むべき種目なのです。

全身の協調性を学べる点が大きな理由。
筋トレを始めたばかりの頃は、個別の筋肉を意識するより、体全体を使って動く感覚を身につけることが重要です。
オーバーヘッドプレスは、下半身で踏ん張り、体幹で姿勢を保ち、上半身で重量を押し上げるという一連の動作を通じて、全身を統合的に使う能力を養えます。

成長を実感しやすいのも初心者向きな理由の一つ。
正しいフォームで行えば、重量の伸びが筋力の向上を如実に示してくれます。
反動を使えないため、ごまかしが効きません。
「先週は30kgで5回が限界だったのに、今週は35kgで5回できた」という明確な進歩が、モチベーション維持につながるでしょう。

怪我の予防効果も見逃せません。
肩甲骨が自由に動く状態で負荷を受けるため、肩関節の自然な動きを学習できます。
これは、他の種目を行う際の基礎となる重要な要素。
サイドレイズなど肩甲骨が固定される種目ばかり行っていると、肩の正常な動き(肩甲上腕リズム)が乱れ、怪我のリスクが高まります。
オーバーヘッドプレスを取り入れることで、そのバランスを整えられるのです。

もちろん、段階を踏んだアプローチが大切。
最初は軽い重量、あるいはバーだけから始めて、フォームの習得を最優先にしましょう。
重量を追い求めるのは、正しい動作が体に染み付いてから。
焦らず、基礎を固めることが、長期的な成功への近道となります。

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オーバーヘッドプレスは最強の肩トレ?

「肩を鍛えるなら、どの種目が一番効果的ですか?」この質問に対して、多くのトレーナーが真っ先に挙げるのがオーバーヘッドプレス。
中には「筋トレBIG4」の一つとして、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトと肩を並べる重要種目だと位置づける専門家もいるほどです。

では、なぜこれほどまでに評価されるのでしょうか。
その理由は、単に肩の筋肉を鍛えるだけでなく、全身の力を統合して使う「コンパウンド種目」としての特性にあります。
肩の成長効率の高さと、広範囲の筋肉を同時に鍛えられるカバー範囲の広さ。
この2つの要素が、オーバーヘッドプレスを「最強の肩トレ」たらしめているのです。

ここでは、以下の観点から詳しく見ていきましょう。

  • 全身連動のコンパウンド種目としての価値
  • 他の肩トレーニングとの決定的な違い
  • 三角筋・僧帽筋を包括的に鍛える効率性

全身連動のコンパウンド種目としての価値

オーバーヘッドプレスを語る上で欠かせないのが、「コンパウンド種目」という性質です。
コンパウンド種目とは、複数の関節と筋肉を同時に動かすトレーニングのこと。
これに対し、一つの関節・筋肉だけを動かすものを「アイソレーション種目」と呼びます。

地面からの力の伝達が、オーバーヘッドプレスの本質。

バーベルを頭上に押し上げる動作は、単に腕の力だけで行っているわけではありません。
足で地面を踏みしめ、そこから得た力が脚を通って骨盤へ、骨盤から体幹を通って肩へ、そして腕からバーベルへと伝わっていく。
この一連の流れ全体が、オーバーヘッドプレスという一つの動作を構成しています。

言い換えれば、「手に重りを持ったプランク」のようなもの。
体幹部は、頭上の重量を支えるために強力に収縮し続けます。
下半身も、ただ立っているだけではなく、大臀筋やハムストリングスを締めて骨盤を安定させる必要があります。

筋力向上の効率が圧倒的なのも、コンパウンド種目ならではの強み。

アイソレーション種目で個別の筋肉を鍛えるより、複数の筋肉を同時に使うコンパウンド種目の方が、重い重量を扱えます。
重い重量を扱えるということは、筋肉への刺激が強くなり、成長ホルモンの分泌も促進されるということ。
結果として、筋力と筋量の向上速度が格段に速くなるのです。

また、実用的な筋力が身につく点も見逃せません。
日常生活やスポーツでは、単一の筋肉だけを使う動作はほとんど存在しません。
全身を協調させて動く能力こそが、本当の意味での「使える筋力」。
オーバーヘッドプレスは、まさにその能力を養成してくれます。

神経系の発達という側面も重要です。

重量を挙げるには、筋肉そのものの大きさだけでなく、脳から筋肉への指令を効率的に伝える神経系の能力も必要。
複数の筋肉を同時にコントロールするオーバーヘッドプレスは、この神経系を鍛えるのに最適な種目と言えるでしょう。

他の肩トレーニングとの決定的な違い

肩を鍛える種目は数多くありますが、オーバーヘッドプレスが特別なのはなぜでしょうか。
代表的な他の種目と比較してみましょう。

サイドレイズとの違いは、肩甲骨の動きにあります。

サイドレイズは、ダンベルを体の横に持ち上げる種目。
三角筋の中部を集中的に鍛えられる優れた種目ですが、一つ大きな欠点があります。
それは、肩甲骨がほとんど動かないということ。

人間の肩が腕を上げる動作では、「肩甲上腕リズム」と呼ばれる協調運動が起こります。
腕を180度挙げるとき、上腕骨が120度、肩甲骨が60度動くのが正常なバランス。
しかし、サイドレイズでは肩甲骨が固定されたまま腕だけを上げるため、このリズムが乱れてしまうのです。

サイドレイズばかりを行っていると、肩甲骨を動かす筋肉(前鋸筋や僧帽筋中下部)が十分に鍛えられず、結果として肩の怪我リスクが高まります。
「肩に爆弾を抱える」という表現がされることも。

一方、オーバーヘッドプレスでは肩甲骨が自由に動けます。
挙上の過程で肩甲骨が上方回旋し、トップポジションでは完全に挙上される。
この自然な動きが、肩の健康を守りながら筋力を高めてくれるのです。

マシンプレスとの違いは、安定性の要求度。

マシンで行うショルダープレスは、軌道が固定されているため、バランスを取る必要がありません。
これは初心者には安全で取り組みやすい反面、体幹や肩周りの安定化筋群(腱板や前鋸筋など)への刺激が不足します。

オーバーヘッドプレスは、不安定なフリーウェイトを自分でコントロールしなければなりません。
この不安定性こそが、実は最大のメリット。
バランスを保つために、表層の大きな筋肉だけでなく、深層の小さな筋肉まで総動員されます。

ベンチプレスとの比較も興味深いところ。

ベンチプレスは上半身の押す力を測る代表的な種目として、ジムでも人気があります。
しかし、肩甲骨がベンチに固定されてしまうため、肩甲骨の自由な動きは制限されます。

対してオーバーヘッドプレスは、肩関節の可動域全体を使う動作。
デッドリフトに続いて「全身の力を試す究極の試金石」とも評されるほど、総合的な筋力が要求される種目なのです。

三角筋・僧帽筋を包括的に鍛える効率性

オーバーヘッドプレスの真骨頂は、肩周りの筋肉を広範囲かつ効率的に鍛えられる点にあります。

三角筋の前部と中部が主なターゲット。

バーベルを肩の位置から持ち上げる初動では、三角筋の前部が強く働きます。
肩の前側に位置するこの部分は、腕を前方に挙げる動作で活性化される筋肉。
丸みのある肩を作る上で欠かせない部位です。

動作が進み、バーベルが頭の高さを超えてくると、今度は三角筋の中部の関与が強まります。
肩の横側に位置し、腕を横に開く動作で働くこの部分が発達すると、肩幅が広く見える効果が生まれます。

つまり、一つの動作の中で三角筋の複数部位を同時に刺激できるということ。
これは非常に効率的な鍛え方と言えるでしょう。

僧帽筋上部の活性化も見逃せません。

バーベルを完全に頭上にロックアウトする際、肩をすくめるような動作(シュラグ)を行います。
この動きで僧帽筋の上部が強く収縮し、肩甲骨が最大限に挙上されます。

僧帽筋は首から背中にかけて広がる大きな筋肉で、上半身の厚みと力強さを演出する重要な部位。
オーバーヘッドプレスでは、この僧帽筋を肩のトレーニングと同時に鍛えられるのです。

上腕三頭筋への刺激も強力。

肘を伸ばしてバーベルを押し上げる動作では、上腕三頭筋が大きく関与します。
上腕三頭筋は、腕の筋肉の約3分の2を占める大きな筋肉。
ここを鍛えることで、太くて力強い腕が手に入ります。

サイドレイズやフロントレイズでは、肘はほとんど固定されたまま。
つまり、上腕三頭筋への刺激は限定的です。
しかし、オーバーヘッドプレスなら肩と腕を同時に鍛えられる一石二鳥の効果が得られます。

時間効率の良さという実践的なメリットも。

肩の前部にフロントレイズ、中部にサイドレイズ、僧帽筋にシュラグ、腕に上腕三頭筋の種目…と個別に行っていたら、相当な時間がかかります。
オーバーヘッドプレスなら、これらを一度に鍛えられるため、忙しい現代人にとって非常に効率的なトレーニングと言えるでしょう。

限られた時間の中で最大の効果を得たい。
そんな方にこそ、オーバーヘッドプレスは「最強の肩トレ」として推奨できる種目なのです。

オーバーヘッドプレスの正しいやり方(初心者向け)

「フォームが大切」とは誰もが言いますが、オーバーヘッドプレスほどその言葉が当てはまる種目はありません。
間違ったやり方で続けると、肩や腰を痛めるリスクが高まってしまいます。
逆に、正しいフォームを身につければ、安全かつ効率的に肩を鍛えられるだけでなく、重量もスムーズに伸びていくでしょう。

初心者の方が最初に覚えるべきは、バーベル版のオーバーヘッドプレス
ダンベルよりも軌道が安定しているため、基本的な動作パターンを習得しやすいからです。

ここでは、動作を4つの段階に分けて解説していきます。
一つひとつのポイントを丁寧に確認しながら、体に正しい動きを覚え込ませましょう。

  • スタート姿勢:胸の上でバー or ダンベルを肩位置で保持
  • 真上に押し上げる:肘とバーの軌道を常に一定に保つ
  • コントロールしながら元の位置に戻す:肩・肘の角度を崩さない
  • “反り腰”を避けるために体幹を固めるポイント

スタート姿勢:胸の上でバー or ダンベルを肩位置で保持

すべての動作は、正しいスタートポジションから始まります。
土台がしっかりしていなければ、その後の動作も崩れてしまうもの。
まずは足元から順番に確認していきましょう。

足の位置と幅から整えます。

足は腰幅から肩幅程度に開くのが基本。
広すぎると体が安定する反面、腰が反りやすくなってしまいます。
狭すぎるとバランスが取りづらくなるため、「ジャンプして着地したときの自然な足幅」を目安にするとよいでしょう。

つま先は正面、またはわずかに外側(15〜30度程度)に向けます。
これにより、お尻の筋肉が締まりやすくなり、骨盤が安定します。
足の裏全体で地面を捉え、特に母指球・小指球・かかとの3点でしっかり踏みしめる感覚を持ちましょう。

バーベルの握り方は、手首の痛みを防ぐ重要なポイント。

手幅は肩幅よりやや広め、前腕が地面に対して垂直になる位置を探します。
あまり広すぎると肩への負担が増し、狭すぎると手首が過度に反ってしまうためです。

握るときは、バーを手のひらの付け根ではなく、少し斜めに当てるイメージ。
手のひらの「生命線」とバーが平行になるように握ると、手首の角度が自然になります。
親指はしっかりとバーに巻き付ける「サムアラウンドグリップ」で握りましょう。

手首を少しだけ内側にひねる(回内させる)ことで、前腕の骨の真上にバーが乗り、力が効率的に伝わります。
手首が90度近く反り返ってしまうと、手首を痛める原因になるため注意が必要です。

バーの位置と肘の角度を確認します。

バーベルは、鎖骨から胸の上部あたりに乗せます。
三角筋の前部の肉厚な部分で支えるイメージ。
このとき、肘はバーの真下、あるいはわずかに前方に位置させることが大切です。
肘がバーより後ろにあると、挙上の初動で無駄な力が必要になってしまいます。

正面から見たとき、肘は真横に開くのではなく、斜め前方(約45度)に向けましょう。
これにより、肩関節への負担が軽減され、力の伝達効率も高まります。

姿勢の作り方も重要な要素。

胸を高く突き上げ(チェストアップ)、胸椎を軽く伸展させます。
ただし、腰を反らせるのではなく、あくまで「胸を張る」感覚。
肋骨が開きすぎないよう、腹筋にも軽く力を入れておきます。

お尻の筋肉をキュッと締め、骨盤を中間位(ニュートラル)に保ちましょう。
これにより、腰椎の過度な反りを防げます。
膝は伸ばし切って、脚全体をコンクリートで固めたような状態にします。

呼吸の準備を忘れずに。

挙上を始める前に、鼻から大きく息を吸い込みます。
このとき、胸ではなくお腹を膨らませるイメージ。
そして、膨らんだお腹を全方向から締めるように腹筋に力を入れる。
この「腹圧」が、重量を支える体幹の強度を生み出します。

真上に押し上げる:肘とバーの軌道を常に一定に保つ

スタートポジションが整ったら、いよいよバーベルを押し上げていきます。
この局面で最も大切なのは、「真上に」という軌道の意識

挙上の開始は、爆発的に。

お尻、腹筋、脚を固めた状態から、一気にバーを押し上げます。
ゆっくり持ち上げようとすると、かえって肩への負担が増えてしまうため、初速は速めに。
ただし、反動は使いません。
膝を曲げたり、体を後ろに倒したりせず、純粋に腕と肩の力でプレスします。

息は止めたまま。
挙上中に息を吐いてしまうと、腹圧が抜けて体幹が不安定になります。

顔の位置の調整が、オーバーヘッドプレス特有の難しさ。

バーベルの理想的な軌道は、ほぼ垂直の一直線。
しかし、顔が邪魔になってしまいます。
ここで体を後ろに倒してバーを避けようとすると、腰を痛める原因に。

正しい方法は、「頭を引く」動作。
挙上を開始すると同時に、顎を引いて(二重顎を作るイメージ)、頭全体をわずかに後方へスライドさせます。
腰は動かさず、頭だけを引くのがポイント。

バーが額の高さを通過したら、すぐに頭を元の位置に戻します。
「窓から顔を出す」ような感覚で、頭を腕の間に入れていきましょう。

前腕を垂直に保つことを常に意識します。

横から見たとき、前腕は地面に対して常に垂直。
肘がバーの真下にある状態をキープします。
もし肘が外側に開いてしまうと、力が逃げてしまい、肩への負担も増大します。

「肘を前に向ける」「脇を締める」というキューワードを頭に置いておくとよいでしょう。
バーを両手で外側にへし折るようなイメージで握ると、自然と前腕の角度が整います。

バーの軌道は顔ギリギリを通すのが理想。

バーが体から離れれば離れるほど、テコの原理で肩への負担が増します。
鼻先や額のギリギリを掠めるような軌道で、垂直に押し上げましょう。

もし軌道が前方に流れてしまうなら、頭を引くタイミングが遅い、または肘の初期位置が後ろすぎる可能性があります。

トップポジションでの仕上げまで気を抜きません。

肘を完全に伸ばし切る直前で一瞬止め、最後まで押し切ります。
横から見て、バーが頭の真上、または耳のラインにくるのが理想的。
バー、肩、腰、膝、足首が一直線に並ぶ姿勢を作りましょう。

ここで重要なのが、「アクティブシュラグ」という動作。
肘を伸ばし切ると同時に、肩を天井に向かってすくめます。
これにより僧帽筋上部が収縮し、肩甲骨が完全に挙上される。
この動作が、肩の詰まり(インピンジメント)を防ぐ鍵となります。

コントロールしながら元の位置に戻す:肩・肘の角度を崩さない

バーベルを押し上げたら、次は下ろす動作。
「上げるのが仕事で、下ろすのはオマケ」と考える方もいますが、実は下ろす局面(エキセントリック・フェーズ)こそ、筋肉の成長に大きく貢献する重要な時間なのです。

重力に任せず、コントロール下で下ろすのが鉄則。

ストンと落とすように下ろしてしまうと、筋肉への刺激が減るだけでなく、肩や肘への衝撃で怪我のリスクも高まります。
2〜3秒かけて、ゆっくりと下ろしていきましょう。

特に高重量を扱うようになったら、ゆっくり下ろすことで「効く」感覚が格段に増します。
筋肥大を目的とする場合、下ろす時間を4秒程度まで伸ばすのも効果的な方法です。

軌道は挙上時の逆再生を意識します。

上げたときと同じ軌道を、逆向きに辿るイメージ。
バーが額の高さを通過するあたりで、再び頭を後ろに引き、バーを顔の前に通します。

肘の位置も、常にバーの真下をキープ。
前腕が垂直な状態を崩さないよう、注意深くコントロールしましょう。

着地のタイミングで次のレップへつなげます。

バーを鎖骨付近まで下ろし、スタートポジションに戻します。
このとき、胸を張って衝撃を受け止める感覚を持つと、次のレップへのリズムが生まれます。

この「伸張反射」を利用すると、筋肉が一度伸ばされてから縮む力(ストレッチショートニングサイクル)が働き、挙上がスムーズになるのです。

息継ぎのタイミングを掴みましょう。

トップポジションでロックアウトしたら、素早く息を吐いて吸い直すか、スタートポジションに戻ってから呼吸を整えます。
次のレップに入る前に、再び大きく息を吸い込んで腹圧を高めることを忘れずに。

フォームの崩れに敏感になることも大切。

セットの後半、疲れてくると無意識にフォームが崩れがち。
肘が開いたり、腰が反ったり、軌道が前に流れたりしたら、それは限界のサイン。
無理に回数を重ねるより、そこで止めて休憩を取る勇気も必要です。

「正しいフォームでできる回数」こそが、本当の実力。
ごまかしたレップは、カウントに含めない心構えで臨みましょう。

“反り腰”を避けるために体幹を固めるポイント

オーバーヘッドプレスで最も多く見られる間違いが、「腰の過度な反り」
頭上に重量があると、体は自然と後ろに倒れようとします。
その結果、腰椎が大きく反り返り、椎間板や関節に過度なストレスがかかってしまうのです。

初心者が「もう挙がらない」と感じる理由の多くは、肩の筋力不足ではなく、体幹の安定性不足。
腰を反らせて楽をしようとする代償動作が出てしまうのです。

腹圧の重要性を理解しましょう。

腹圧とは、お腹の中の圧力のこと。
息を吸い込んでお腹を膨らませ、その状態で腹筋を締めると、腹腔内の圧力が高まります。
この圧力が、背骨を前面から支える「空気のコルセット」となるのです。

挙上中は常に腹圧をキープ。
「お腹にパンチを受けるつもりで固める」というイメージを持つとよいでしょう。
腹直筋だけでなく、腹斜筋、腹横筋も含めた全方向からの締め付けを意識します。

お尻を締める感覚が、反り腰防止の鍵。

大臀筋をギュッと締めることで、骨盤が後傾(後ろに傾く)方向に動きます。
これにより、腰椎の過度な前弯(反り)が抑えられるのです。

「お尻の穴を締める」という表現がよく使われます。
少し恥ずかしい表現かもしれませんが、実際に効果的なキーワード。
スタートポジションから挙上が終わるまで、お尻の緊張を保ち続けましょう。

肋骨の位置にも注意を向けます。

胸を張りすぎると、肋骨が前方に突き出て開いてしまいます(リブフレア)。
この状態では腹筋が効果的に働かず、腰が反りやすくなるのです。

「肋骨を骨盤に引き下げる」イメージで、肋骨と骨盤の距離を近づけましょう。
腹筋を締めると、自然とこの感覚がつかめるはずです。

膝をロックすることも忘れずに。

膝を伸ばし切って固定することで、下半身が安定します。
膝が曲がってしまうと、無意識に反動を使いたくなり、結果として腰への負担が増えてしまいます。

「脚をコンクリートで固める」つもりで、膝から足首までを一本の棒のようにイメージしましょう。

重量設定が適切かを見直すことも必要。

どんなに体幹を固めても、重量が重すぎれば腰は反ってしまいます。
フォームが崩れるということは、その重量はまだ早いというサイン。

プライドを捨てて、軽い重量に戻す勇気を持ちましょう。
正しいフォームで10回できる重量を、まずは5回3セットから始める。
そこから少しずつ重量を増やしていく方が、長期的には確実に成長できます。

鏡でのチェックも有効な方法。

横から自分の姿を見られる鏡があれば、積極的に活用しましょう。
挙上中に腰が反っていないか、体が一直線を保てているか、客観的に確認できます。

スマートフォンで動画を撮影するのもおすすめ。
後から見返すことで、自分では気づかなかった癖が見えてくることもあります。

体幹の安定性は、一朝一夕には身につきません。
軽い重量で正しいフォームを繰り返し、体に正しい動きを覚え込ませる。
この地道な積み重ねこそが、怪我なく長く続けられる秘訣なのです。

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オーバーヘッドプレスの器具別バリエーション

オーバーヘッドプレスは、使用する器具によって特性が大きく変わります
それぞれに独自のメリットとデメリットがあり、トレーニングの目的や経験レベル、環境に応じて使い分けることが大切です。

バーベルで高重量を追求するのか、ダンベルで左右のバランスを整えるのか。
ジムで本格的に取り組むのか、自宅で手軽に始めるのか。
選択肢を知ることで、自分に最適なトレーニング方法が見つかるでしょう。

ここでは、代表的な4つのバリエーションについて詳しく解説していきます。

  • バーベルオーバーヘッドプレス(もっとも高重量を扱える王道スタイル)
  • ダンベルオーバーヘッドプレス(左右差改善・筋肥大に優れる)
  • シーテッドショルダープレス(姿勢が安定し初心者向き)
  • 自宅でできる代替トレーニング(チューブ・水ボトルなど)

バーベルオーバーヘッドプレス(もっとも高重量を扱える王道スタイル)

バーベルを使ったオーバーヘッドプレスは、この種目の「スタンダード」。
多くのトレーナーが「肩を鍛えるなら、まずはこれから」と推奨する王道のスタイルです。

最大の特徴は、高重量を扱える安定性にあります。

両手が一本のバーで固定されているため、ダンベルのように左右がバラバラに動く心配がありません。
この安定性により、より重い重量にチャレンジできます。
重量が重ければ重いほど、筋肉への刺激も強くなり、筋力向上の効果が高まるのです。

また、バーベルは左右の手が協力し合えるため、片方が疲れても反対側がサポートできます。
結果として、ダンベルでは挙がらない重量でも、バーベルなら挙げられることも。

神経系の発達に最適という側面も見逃せません。

高重量を扱うには、脳から筋肉への指令を効率化する必要があります。
バーベルプレスは、この神経系を鍛えるのに非常に効果的。
純粋な筋力、つまり「力を発揮する能力」を高めたいなら、バーベル版が最適でしょう。

重量の微調整がしやすいのも大きなメリット。

ジムにあるプレートは、通常1.25kg、2.5kg、5kg、10kgといったラインナップ。
両側に付けるため、最小でも2.5kg刻みで重量を増やせます。
さらに、0.5kgや1kgといった小さなプレート(フラクショナルプレート)を用意すれば、1kg刻みでの調整も可能に。

オーバーヘッドプレスは他の種目に比べて伸びが緩やか。
だからこそ、細かい重量調整が長期的な成長の鍵となるのです。

デメリットも理解しておきましょう

バーの軌道が固定されているため、手首や肩の柔軟性が不足していると、関節への負担が大きくなる可能性があります。
特に手首が硬い方は、バーを握る角度が不自然になり、痛みを感じることも。

また、バーが顔の前を通過するため、頭を引くタイミングを間違えると、顔にぶつける危険性もゼロではありません。
最初は軽い重量で、動作に慣れることが大切です。

こんな人に向いています

筋力を最大限に高めたい方、パワーリフティングやウェイトリフティングに興味がある方には、バーベル版が最適。
また、ジムに通っていてバーベルが使える環境にある方は、まずバーベルから始めることをおすすめします。

セット・レップの目安としては、5回×5セットが筋力向上に効果的。
筋肥大を狙うなら、8〜12回×3セットも良い選択肢となります。

ダンベルオーバーヘッドプレス(左右差改善・筋肥大に優れる)

ダンベルを使ったショルダープレスは、バーベル版とは異なる魅力を持つバリエーション。
特に、筋肉の成長を重視するボディビルダーに好まれる種目です。

左右が独立している自由度が最大の特徴。

バーベルでは両手が固定されていましたが、ダンベルは左右それぞれが独立して動きます。
これにより、自分の骨格に合った自然な軌道で動作できるのです。

手首の角度、肘の開き具合、ダンベルの軌道。
これらすべてを、関節に負担のかからない最適な位置に調整できます。
肩や手首に痛みがある方でも、比較的取り組みやすいでしょう。

可動域を広く取れるのも大きなメリット。

バーベルの場合、下ろす位置は鎖骨付近で止まってしまいます。
しかし、ダンベルなら肩のラインよりさらに深く下ろすことが可能。

筋肉は伸ばされた状態(ストレッチポジション)で負荷がかかると、筋肥大の効果が高まることが分かっています。
ダンベルの広い可動域は、まさにこの「ストレッチ刺激」を与えるのに最適なのです。

左右差の改善に効果的という点も見逃せません。

人間の体は、完全に左右対称ではありません。
利き腕の方が強いのは自然なこと。
しかし、バーベルを使っていると、強い方の腕が弱い方をカバーしてしまい、左右差がいつまでも縮まらないことがあります。

ダンベルなら、左右それぞれが独立して働くため、弱い方の腕も強い方と同じ重量を挙げなければなりません。
これにより、左右のバランスが徐々に整っていくのです。

デメリットと注意点も確認しておきましょう。

高重量になると、スタートポジションに持っていくのが大変になります。
膝の上にダンベルを乗せて、膝の反動で肩まで持ち上げる「キック」という技術が必要に。
初心者には少し難しいかもしれません。

また、バランスを取るための要求度が高いため、純粋に挙げられる重量はバーベルより低くなります。
片手20kgのダンベルでプレスできる人でも、バーベルなら50kg以上扱えることも珍しくありません。

こんな人に向いています

筋肥大を優先したい方、左右の筋力バランスを整えたい方には、ダンベル版がおすすめ。
肩や手首に違和感がある方も、まずダンベルで試してみる価値があるでしょう。

また、ジムにバーベルを使える環境がない場合や、バーベルが怖いと感じる初心者の方にも適しています。

動作のポイントとしては、両手同時に動かすよりも、片手ずつ交互に行う「オルタネイト」方式も効果的。
体幹の安定性がさらに求められるため、コアトレーニングとしての効果も高まります。

シーテッドショルダープレス(姿勢が安定し初心者向き)

座って行うショルダープレスは、立位版とは異なる特性を持つバリエーション。
特に初心者や、腰に不安がある方に推奨される種目です。

下半身と体幹への要求度が低いのが最大の特徴。

立って行う場合、全身でバランスを取る必要がありました。
しかし、座ることでその必要性が大幅に減少します。
ベンチが体を支えてくれるため、純粋に肩と腕の筋肉だけに集中できるのです。

特に背もたれ付きのベンチを使えば、体幹の疲労を気にせず、肩を限界まで追い込めます。
「肩だけをしっかり鍛えたい」という目的には最適でしょう。

フォームが安定しやすいため、初心者向き。

立位だと、重量が重くなるにつれて体が後ろに倒れたり、膝が曲がったりと、フォームが崩れがちです。
しかし、座っていればそのような代償動作は起こりにくくなります。

正しい動作を覚える段階では、この安定性が大きな助けに。
フォーム習得の近道となるでしょう。

腰への負担が少ないのも重要なポイント。

腰痛持ちの方や、腰に不安がある方にとって、立位でのオーバーヘッドプレスはリスクが高い種目。
座って行えば、腰椎への圧迫ストレスを大幅に軽減できます。

リハビリ期や、調子が悪い日のトレーニングとしても有効です。

バーベルとダンベル、どちらでも可能

ジムによっては、座った状態でバーベルをプレスできるマシンやラックが設置されています。
スミスマシンを使う方法もあるでしょう。
ダンベルを使えば、より汎用性が高まります。

デメリットも把握しておきましょう

全身を使わないため、立位版と比べて実用的な筋力は身につきにくいと言えます。
スポーツパフォーマンスの向上を目指すなら、やはり立位版の方が効果的。

また、背もたれに寄りかかりすぎると、インクラインベンチプレスのような角度になってしまい、肩よりも胸の上部に負荷が逃げることも。
背もたれは垂直、もしくは85度程度の角度が理想的です。

こんな人に向いています

筋トレを始めたばかりの初心者、腰痛がある方、高齢者など、安全性を最優先したい方にはシーテッド版がおすすめ。
また、立位版で肩を鍛えた後、さらに追い込むための補助種目としても有効です。

ボディビルダーが筋肥大を狙う場合は、シーテッド版で10〜15回×3〜4セットを高回数でこなすことも。
筋肉をパンパンに張らせる「パンプアップ」を狙うなら、この方法が効果的でしょう。

自宅でできる代替トレーニング(チューブ・水ボトルなど)

「ジムに通えない」「バーベルやダンベルが家にない」そんな方でも、肩を鍛えることは十分可能です。
工夫次第で、自宅でも効果的なトレーニングができます。

レジスタンスバンド(ゴムチューブ)を活用する方法。

トレーニングチューブは、安価で場所を取らず、自宅トレーニングの強い味方。
オーバーヘッドプレスの動作も、チューブで再現できます。

やり方は簡単。
チューブの中央を足で踏み、両端を手で持ちます。
肩の位置からスタートし、頭上に向かって押し上げるだけ。
バンドの張力が抵抗となり、肩に負荷がかかります。

チューブの良いところは、挙げるほど負荷が増えること。
トップポジション(最も収縮した位置)で最大の負荷がかかるため、筋肉をしっかり絞り込めます。
また、関節への負担が少なく、怪我のリスクも低いのが魅力。

ペットボトルや水タンクを使う方法も。

500mlや1リットル、2リットルのペットボトルに水や砂を入れれば、即席のダンベルに。
両手に持って、ショルダープレスの動作を行います。

負荷は軽めになりますが、高回数(15〜20回)を行えば、筋持久力の向上や筋肥大効果も期待できるでしょう。
女性や高齢者、リハビリ目的の方には十分な負荷となります。

逆立ち腕立て伏せ(パイクプッシュアップ)にチャレンジ

器具を一切使わない自重トレーニングとして、パイクプッシュアップがあります。
腕立て伏せの姿勢から、お尻を高く突き上げ、体が「くの字」になるような姿勢を作ります。
その状態で肘を曲げて頭を地面に近づけ、また伸ばす動作。

この角度により、肩への負荷が高まり、オーバーヘッドプレスに近い刺激を与えられます。
慣れてきたら、足を椅子やベッドに乗せて角度を急にすると、さらに負荷が増すでしょう。

上級者なら、壁に足をついた完全な逆立ちの状態での腕立て伏せ(ハンドスタンドプッシュアップ)も可能。
ただし、これはかなり高難度なので、十分な筋力がついてからチャレンジしてください。

日用品を工夫するアイデアも。

リュックサックに本や重い物を詰めて、それを頭上に押し上げる。
買い物袋に物を入れて、ショルダープレスの動作をする。
米袋(5kgや10kg)を使う。
こうした工夫で、負荷を調整できます。

重要なのは、「何で鍛えるか」ではなく、「正しい動作で筋肉に刺激を与えられるか」。
器具は手段であって、目的ではありません。

自宅トレーニングの注意点

軽い負荷でも、回数を増やせば効果は得られます。
ただし、フォームの習得という点では、ジムで専門家に見てもらう方が確実。
可能であれば、最初の数回だけでもパーソナルトレーナーの指導を受けることをおすすめします。

また、負荷が軽いからといって油断は禁物。
急激に回数を増やすと、肩の腱や関節を痛める可能性もあります。
徐々に負荷と回数を増やしていく「漸進性過負荷の原則」は、自宅トレーニングでも変わりません。

継続が最も大切

完璧な環境がなくても、続けることで必ず体は変わります。
週2〜3回、15分程度の肩トレーニングを習慣化すれば、数ヶ月後には目に見える変化が現れるでしょう。

ジムに通えるようになったときのために、今から正しいフォームと習慣を身につけておく。
そんな前向きな姿勢が、長期的な成功につながるのです。

目的別のトレーニングメニュー例と基本重量設定

「どれくらいの重さで、何回やればいいの?」これは、筋トレ初心者が必ず抱く疑問でしょう。
オーバーヘッドプレスの効果を最大限に引き出すには、自分のレベルと目的に合ったメニュー設定が不可欠です。

重すぎる重量では正しいフォームが崩れ、怪我のリスクが高まります。
逆に軽すぎれば、筋肉への刺激が不足して成長が遅れてしまう。
適切なバランスを見つけることが、成功への近道となります。

ここでは、初心者から上級者まで、そして女性向けのメニューも含めて、レベル別・目的別の具体的なトレーニングプログラムを表形式でわかりやすく解説していきます。

メニュー設計の基本原則

まず、トレーニングメニューを組む上での基本的な考え方を押さえておきましょう。

セット数・レップ数(回数)の意味を理解することが第一歩。

一般的に、1〜5回の低回数は「筋力向上」、6〜12回の中回数は「筋肥大(筋肉を大きくする)」、13回以上の高回数は「筋持久力向上」に効果的とされています。
ただし、これらは明確に分かれているわけではなく、重なり合う部分も多いもの。

オーバーヘッドプレスの場合、初心者には5回×5セットの「5×5法」が特に推奨されます。
神経系を刺激して筋力を伸ばすのに十分な高重量でありながら、フォームを維持して反復できる絶妙な回数だからです。

休憩時間(インターバル)の目安も重要。

筋力向上が目的なら3〜5分、筋肥大が目的なら1〜2分、筋持久力なら30秒〜1分が一般的。
オーバーヘッドプレスは全身を使う種目なので、呼吸が整い、握力が回復するまで十分に休むことが大切です。

週の頻度としては、週2〜3回が理想的。
肩は回復が比較的早い部位ですが、ベンチプレスなど他の押す系種目でも使われるため、全体のバランスを考える必要があります。

プログレッション(漸進性過負荷)の原則を忘れずに。

毎回同じ重量・回数では、体が刺激に慣れて成長が止まってしまいます。
少しずつでも負荷を増やしていくことが、継続的な成長の鍵。
オーバーヘッドプレスでは、毎回1〜2.5kg増やすのが現実的な目標となるでしょう。

レベル別・目的別トレーニングメニュー一覧表

以下の表は、あなたのレベルと目的に応じた具体的なメニュー例です。
自分に当てはまるものを参考に、トレーニング計画を立ててみましょう。

対象レベル主な目的重量設定の目安セット×レップ頻度インターバルポイント
初心者(1〜3ヶ月)フォーム習得・筋力基礎作りバーのみ(20kg)〜体重の20%5回×5セット週2回3〜5分まずは空のバーで動作を完璧に。重量より正確性を優先
初心者(慣れてきたら)筋力・筋量の向上体重の20〜30%8〜10回×3セット週2〜3回2〜3分毎回1〜2.5kg増やすことを目標に
中級者(3〜12ヶ月)筋力向上重視体重の30〜50%5回×5セット週2〜3回3〜5分5×5法で着実に重量を伸ばす。停滞したら軽くして再挑戦
中級者(3〜12ヶ月)筋肥大重視体重の25〜40%8〜12回×3〜4セット週2〜3回1〜2分ゆっくり下ろす(3〜4秒)ことで筋肥大効果アップ
上級者(1年以上)最大筋力向上体重の50〜70%以上3〜5回×5〜6セット週2〜3回4〜5分ピリオダイゼーション(周期的な変化)を取り入れる
上級者(1年以上)筋肥大・仕上げ体重の40〜50%10〜15回×4〜5セット週2〜3回1〜2分ドロップセットなど高度なテクニックも活用
女性(初心者)引き締め・姿勢改善バーのみ〜10kg程度10〜15回×3セット週2回2〜3分ダンベル(2〜5kg)から始めるのも効果的
女性(中級者以上)筋力・ボディメイク10〜20kg程度8〜12回×3〜4セット週2〜3回2〜3分無理のない範囲で徐々に重量アップ

表の見方と注意点

重量設定の「体重の○%」は、あくまで目安。
骨格や筋力には個人差があるため、実際には「正しいフォームで目標回数ギリギリできる重量」を選ぶことが最重要です。

初心者の方は、まず空のバーベル(20kg)から始めることを強くおすすめします。
「軽すぎる」と感じても、フォームの習得には最適な重量。
焦らず、動作を体に染み込ませましょう。

具体的な重量設定の考え方

数字だけ見ても、実際にどうすればいいかピンとこない方も多いでしょう。
ここでは、より実践的な重量設定の方法を解説します。

体重別の目安重量(初心者向け)

より具体的なイメージを持てるよう、体重別の重量例をまとめました。

あなたの体重最初の目標重量(バーベル)3ヶ月後の目標備考
50kg10〜15kg20〜25kg女性や軽量級の方は、ダンベル(片手3〜5kg)から始めるのも良い
60kg15〜20kg25〜30kg空のバー(20kg)で10回できれば次のステップへ
70kg20〜25kg30〜40kg空のバーから開始し、毎週2.5kgずつ増やす
80kg25〜30kg35〜45kg体格に恵まれている場合、進歩が早い傾向
90kg以上30〜35kg40〜50kg適切なフォームを守れば、比較的早く重量が伸びる

これらはあくまで「平均的な目安」。
運動経験のある方なら、もっと早く進めるかもしれません。
逆に、全くの未経験者なら、もう少しゆっくりでも問題ありません。

「正しい重量」を見つける3つのチェックポイント

  1. 最後の1〜2回がギリギリである: 余裕で10回できてしまうなら軽すぎ。逆に、5回目で完全に潰れるなら重すぎ。「あと1回はできるかも」くらいが理想。
  2. フォームが最後まで保てる: セットの後半で腰が反ったり、肘が開いたりするなら、重量が重すぎるサイン。全レップで正確な動作ができることが最優先。
  3. 次のトレーニング日まで回復できる: 筋肉痛が3日以上続く、関節が痛むといった場合は、重量または頻度を見直す必要があります。

女性向けの特別なアドバイス

女性の場合、「筋肉を大きくしたくない」という懸念があるかもしれません。
しかし、心配は無用。
女性は男性ホルモン(テストステロン)の量が少ないため、男性のように簡単には筋肉が肥大しません。

むしろ、適度な筋トレは代謝を上げ、引き締まった体を作るのに最適。
肩周りを鍛えることで、二の腕のたるみが解消され、ノースリーブが似合う美しいラインが手に入ります。

女性には、バーベルよりダンベルでのショルダープレスがおすすめ。
2〜5kgのダンベルから始め、10〜15回を丁寧に行いましょう。
慣れてきたら、8〜10kgへとステップアップ。

プログレッション:重量を増やすタイミングと方法

「いつ重量を増やせばいいの?」これも、よくある質問です。

基本ルール:目標回数×全セットをクリアしたら増やす

例えば、5回×5セットが目標なら、すべてのセットで5回ずつ挙げられたら、次回は重量を増やします。
もし3セット目で4回しかできなかったら、まだその重量で練習が必要というサイン。

増やす幅は、初心者なら2.5kg(両側に1.25kgずつ)、中級者以上でも1〜2.5kgが現実的。
オーバーヘッドプレスは、大きく重量を跳ね上げるのが難しい種目。
小さなプレート(0.5kgや1kg)を用意しておくと、長期的に停滞を避けられます。

停滞(プラトー)したときの対処法

何週間も同じ重量で止まってしまったら、以下の方法を試してみましょう。

  1. デロード(負荷軽減週): 1週間、重量を10〜20%下げて体を休ませる。神経系の疲労が抜けて、また伸び始めることも。
  2. レップ数を変える: 5×5で止まっているなら、3×8に変更。刺激の変化が成長を促すことがあります。
  3. 補助種目を追加: サイドレイズや上腕三頭筋のトレーニングを加えることで、弱点を補強できます。

記録をつける重要性

毎回のトレーニングで、日付・重量・セット数・レップ数を記録しましょう。
スマホのメモアプリでも、専用のトレーニングアプリでも構いません。

記録を見返すことで、自分の成長が可視化されます。
「先月は30kgで5回が限界だったのに、今は35kgで5回できた!」という進歩が、モチベーションを高めてくれるでしょう。

また、停滞期に入ったときも、過去のデータから原因を分析できます。
「最近、頻度を週3回に増やしたら疲れが抜けない」といった気づきが得られるかもしれません。

長期的な視点を持つ

筋トレは、短期間で劇的な変化を求めるものではありません。
1年、2年、3年と続けることで、確実に体は変わっていきます。

最初の3ヶ月は神経系の適応期間。
この時期は重量が順調に伸びますが、それは主に「筋肉の使い方が上手くなった」から。
本格的な筋肥大が始まるのは、そこから先です。

焦らず、正しいフォームと適切な重量設定を守り続けること。
それが、怪我なく長く続けられる秘訣であり、最終的に最も大きな成果を生む方法なのです。

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オーバーヘッドプレスで重量が伸びない原因

順調に重量が伸びていたのに、ある時点からピタリと止まってしまう。
これは、オーバーヘッドプレスに取り組む多くの方が経験する「壁」です。
同じ重量で何週間も停滞し、焦りや不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

重量が伸びない理由は、単純な筋力不足だけではありません
むしろ、フォームの乱れ、可動域の制限、プログラムの組み方など、技術的・戦略的な問題であることが大半。
これらを一つひとつ見直すことで、停滞を打破できる可能性は十分にあります。

ここでは、オーバーヘッドプレスの重量が伸び悩む代表的な5つの原因と、その解決策について詳しく解説していきます。
自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

  • フォームが崩れて肩・三頭筋に正しく効いていない
  • 反り腰・バーの軌道が不安定になっている
  • トレーニング頻度や組み方(胸と肩の間隔)に問題がある
  • 肩回りの可動域不足でパワーが出せていない
  • オーバーワークで肩が疲労しすぎている

フォームが崩れて肩・三頭筋に正しく効いていない

「重量を挙げること」に意識が向きすぎると、いつの間にかフォームが崩れていることがあります。
そして、ターゲットの筋肉以外に負荷が逃げてしまい、結果として成長が止まってしまうのです。

肘の位置がバーの真下にないという問題が、最も多く見られます。

横から見たとき、前腕は常に地面に対して垂直であるべき。
しかし、疲れてくると肘が外側に開いたり、後ろに引けたりしがち。
この状態では、力の伝達効率が落ちてしまいます。

肘が外に開くと、肩関節への負担が増え、三角筋や上腕三頭筋への刺激が分散。
本来100%の力で押すべきところが、70%程度の効率に落ちてしまうイメージです。

グリップ幅の不適切さも、見落とされがちなポイント。

手幅が広すぎると、可動域が狭くなり、筋肉への刺激が減少します。
逆に狭すぎると、手首や肘への負担が増大。
「前腕が垂直になる位置」という基本に立ち返り、自分にとって最適な手幅を再確認しましょう。

スマートフォンで自分の動作を横から撮影してみると、思わぬ発見があるかもしれません。

頭を引くタイミングのズレも、効率を下げる要因。

バーが顔の前を通過する際、頭を引くのが遅れると、バーの軌道が前方に流れてしまいます。
すると、バーと体の距離が開き、テコの原理で肩への負担が急増。
本来なら挙げられる重量も、挙がらなくなってしまうのです。

挙上開始と同時に顎を引き、バーが額を通過したらすぐに頭を元の位置に戻す。
このタイミングを体に覚え込ませることが大切です。

トップポジションでのロックアウト不足という問題も。

肘を完全に伸ばし切らず、少し曲がったまま下ろしてしまう方がいます。
これでは、可動域が狭くなるだけでなく、僧帽筋上部への刺激も不足。
肩全体の発達が遅れてしまいます。

トップでは、肘を伸ばし切り、さらに肩をすくめるように上方向へ押し込む。
この「最後のひと押し」が、停滞打破の鍵となることも。

解決策:一度重量を落として、フォームを再構築する

プライドを捨てて、10〜20%軽い重量に戻しましょう。
その重量で、完璧なフォームを意識しながら10回×3セットを行います。
動画を撮影し、理想的な動作と比較。
修正点が見つかったら、体が自然に正しく動けるようになるまで反復練習します。

フォームが固まったら、再び少しずつ重量を上げていく。
遠回りに見えるかもしれませんが、これが最も確実な方法なのです。

反り腰・バーの軌道が不安定になっている

重量が重くなるにつれ、体は楽をしようと代償動作を使い始めます
その代表格が「腰の反り」。
一見、重い重量を挙げられているように見えても、実は肩ではなく腰で押している状態かもしれません。

腰を反らせることで、動作が「インクラインプレス」化してしまう問題。

体を後ろに倒すと、バーを押し上げる角度が斜め前方になります。
これは、ベンチプレスやインクラインプレスに近い動作。
すると、本来鍛えたい肩よりも、胸の上部に負荷が逃げてしまうのです。

オーバーヘッドプレスの目的は、垂直方向への押す力を鍛えること。
角度が変われば、トレーニングの効果も変わってしまいます。

腰椎への過度なストレスという、より深刻な問題も。

腰を反らせた状態で頭上に重量を保持すると、腰椎の関節(椎間関節)に大きな圧縮力がかかります。
これが繰り返されると、腰痛の原因に。
特に、もともと反り腰気味の方は要注意です。

実際、オーバーヘッドプレスで腰を痛める方の多くは、この反り腰が原因。
重量が伸びないどころか、トレーニング自体を中断せざるを得なくなってしまいます。

バーの軌道がS字を描いているケースも。

理想的な軌道は、ほぼ垂直の直線。
しかし、フォームが崩れると、スタートから前方に流れ、顔を避けてさらに前へ、トップで頭上に戻る…といったS字軌道になってしまいます。

この無駄な動きが、挙上の効率を大きく下げているのです。

解決策:体幹の固め方を見直す

まず、お尻の筋肉をキュッと締める感覚を掴みましょう。
立った状態で、お尻に力を入れると、骨盤が後傾(後ろに傾く)するはず。
この感覚を、挙上中ずっと保ち続けます。

次に、腹圧の入れ方。
大きく息を吸ってお腹を膨らませたら、その膨らみを前後左右から締め付けるイメージ。
ベルトを締めている方は、ベルトに腹筋を押し付ける感覚です。

肋骨の位置も確認を。
肋骨が前方に突き出ていたら(リブフレア)、肋骨を骨盤に近づけるように引き下げましょう。

これらを組み合わせることで、背骨が自然なS字カーブ(ニュートラル)を保てます。
鏡の前で横向きに立ち、体が一直線になっているか確認する習慣をつけるとよいでしょう。

また、ウエイトリフティングベルトの使用も検討してください。
ベルトは腹圧を高めるサポートをしてくれるため、腰の反りを防ぎやすくなります。

トレーニング頻度や組み方(胸と肩の間隔)に問題がある

筋肉は、トレーニング中ではなく休息中に成長します。
適切な回復期間を与えなければ、どんなに頑張っても重量は伸びません。
特に、プログラム全体の組み方に問題があるケースが多いのです。

ベンチプレスと肩トレの間隔が短すぎるという、よくある落とし穴。

月曜日にベンチプレスをして、火曜日にオーバーヘッドプレス。
一見、部位を分けているように見えますが、実は両方とも肩の前部や上腕三頭筋を酷使する種目。
筋肉が回復しないまま次のトレーニングを行っているため、疲労が蓄積し、重量が伸びなくなります。

理想的には、押す系種目(ベンチプレス、オーバーヘッドプレス、ディップスなど)の間に、最低48〜72時間の休息を設けましょう。
例えば、月曜日にベンチプレス、木曜日にオーバーヘッドプレスといった具合。

週に何度も肩を鍛えすぎているパターンも。

「早く成長したい」という気持ちから、週4〜5回も肩のトレーニングをする方がいます。
しかし、これは逆効果。
筋肉は破壊と修復のサイクルで成長するため、破壊ばかりでは小さくなる一方です。

オーバーヘッドプレスのような高強度種目は、週2〜3回が上限。
それ以上増やしても、効果は頭打ちになるどころか、オーバートレーニングのリスクが高まります。

トレーニング全体のボリューム(総負荷量)が過剰という問題も。

1回のトレーニングで、オーバーヘッドプレス、フロントレイズ、サイドレイズ、リアレイズ、シュラグ…と、肩の種目を10セット以上行っていませんか?
初心者〜中級者にとって、これは明らかにやりすぎ。

オーバーヘッドプレスだけで、肩の前部・中部、僧帽筋、上腕三頭筋を刺激できます。
追加するとしても、サイドレイズ3セット程度で十分。
量より質を重視しましょう。

解決策:回復期間を確保したプログラムに組み直す

週間スケジュールの例を示します。

  • 月曜日: 上半身・押す系(ベンチプレス、ディップス)
  • 火曜日: 下半身(スクワット、デッドリフト)
  • 水曜日: 休息
  • 木曜日: 上半身・引く系(懸垂、ローイング)
  • 金曜日: 肩・腕(オーバーヘッドプレス、サイドレイズ)
  • 土日: 休息またはアクティブリカバリー

このように、押す系種目の間隔を3〜4日空けることで、しっかり回復した状態でトレーニングに臨めます。

また、4〜6週間に一度は「デロード週」を設けましょう。
重量を普段の60〜70%に落とし、体を完全に休ませる。
この休息が、次のサイクルでの成長を促すのです。

肩回りの可動域不足でパワーが出せていない

柔軟性の不足は、重量が伸びない隠れた原因
関節や筋肉が硬いと、力を十分に発揮できないだけでなく、怪我のリスクも高まります。

胸椎(背中の上部)の伸展不足が、最も多い問題。

現代人は、デスクワークやスマートフォンの使用で背中が丸まりがち。
胸椎が硬くなり、伸展(反らせる動き)ができなくなっています。
この状態では、腕を頭上に挙げるときに肩甲骨の動きが制限され、結果として挙上効率が落ちるのです。

胸椎が硬いと、代わりに腰椎が過度に反ることで代償しようとします。
これが、前述の「反り腰」問題につながるわけです。

肩関節の外旋可動域の制限も、見落とされがちなポイント。

バーベルを頭上に保持するには、肩を外旋(外にひねる)させる必要があります。
しかし、内旋筋(胸の筋肉や肩の前面)が硬くなっていると、この動きが制限されてしまう。

無理に挙げようとすると、肩の詰まり(インピンジメント)が起こり、痛みの原因に。
重量が伸びないだけでなく、肩を壊すリスクもあるのです。

広背筋の硬さという、意外な盲点も。

広背筋は、腕を下に引く働きをする大きな筋肉。
この筋肉が硬く縮こまっていると、腕を上に挙げる動作が制限されます。
特に、懸垂やローイングを熱心に行っている方は、広背筋が発達している反面、硬くなっている可能性が高いです。

解決策:ストレッチとモビリティドリルを習慣化する

トレーニング前のウォームアップとして、以下のストレッチを取り入れましょう。

胸椎伸展ドリル: フォームローラーを胸椎の下に置き、仰向けで寝ます。両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと上体を反らせる。10回×2セット。

肩の外旋ストレッチ: 壁の角に手を置き、体を前に倒すことで胸を開きます。30秒キープ×左右2セットずつ。

広背筋ストレッチ: ドアの枠や柱を掴み、お尻を後ろに引きながら腕を伸ばします。脇の下から背中にかけて伸びる感覚を得られればOK。30秒×2セット。

バンドプルアパート: 軽いゴムバンドを両手で持ち、胸の前で左右に引っ張ります。肩甲骨を寄せる動作で、肩周りの小さな筋肉を活性化。15回×3セット。

これらを週に3〜4回、継続的に行うことで、徐々に可動域が改善していきます。
柔軟性の向上は時間がかかりますが、数週間〜数ヶ月で明らかな違いを感じられるでしょう。

オーバーワークで肩が疲労しすぎている

「頑張れば頑張るほど成長する」というのは、筋トレの真実ではありません。
むしろ、やりすぎが停滞を招くことも多いのです。

慢性的な疲労の蓄積が、最も深刻な問題。

毎週限界まで追い込み、回復が不十分なまま次のトレーニングへ。
このサイクルを繰り返すと、筋肉だけでなく神経系も疲弊します。
結果として、本来の力が出せなくなり、重量が伸びなくなるのです。

症状としては、いつもより疲れやすい、やる気が出ない、睡眠の質が悪い、食欲がない、などが挙げられます。
これらは、オーバートレーニングの典型的なサイン。

補助種目のやりすぎというパターンも。

オーバーヘッドプレスの後に、サイドレイズ5セット、フロントレイズ3セット、リアレイズ4セット、ケーブルレイズ3セット…と続けていませんか?
肩の小さな筋肉は、そこまでの容量がありません。

メイン種目で十分に刺激できているなら、補助種目は最小限でOK。
むしろ、回復に必要なエネルギーを温存した方が、長期的には成長が早いのです。

日常生活のストレスや睡眠不足も無視できません。

筋肉の回復には、成長ホルモンが不可欠。
このホルモンは、主に深い睡眠中に分泌されます。
睡眠が6時間未満だったり、質が悪かったりすると、十分な回復ができません。

また、仕事や人間関係のストレスも、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やし、筋肉の分解を促進してしまいます。

解決策:思い切って休養週間を設ける

1週間、完全にトレーニングを休むか、重量を50%に落として軽く体を動かす程度にしましょう。
最初は「筋肉が落ちるのでは」と不安になるかもしれませんが、実際には1週間程度で筋肉が減ることはありません。

むしろ、溜まっていた疲労が抜け、神経系がリフレッシュされます。
休養明けのトレーニングで、いつもより重い重量が挙がることも珍しくありません。

睡眠を最優先することも忘れずに。

毎日7〜9時間の睡眠を確保しましょう。
就寝前のスマートフォンを控え、部屋を暗くし、室温を少し低めに設定する。
こうした睡眠環境の改善が、トレーニング効果を大きく左右します。

栄養摂取の見直しも重要。

筋肉の回復には、十分なタンパク質(体重1kgあたり1.6〜2.2g)と、適切なカロリー摂取が必要。
減量中でない限り、最低でも基礎代謝以上のカロリーを摂りましょう。

特に、トレーニング後30分以内のタンパク質摂取(プロテインシェイクなど)は、回復を促進する効果的なタイミングです。

重量の停滞は、必ずしも悪いことではありません。
体が次のステップへ進むための「準備期間」と捉え、焦らずに原因を特定し、一つずつ改善していく。
その積み重ねが、やがて大きなブレイクスルーにつながるのです。

補助トレーニングでオーバーヘッドプレスの効果を高めよう

オーバーヘッドプレスは、それ単体でも非常に効果的な種目。
しかし、適切な補助トレーニングを組み合わせることで、その効果はさらに高まります
弱点を補強し、安定性を向上させ、怪我のリスクを減らす。
これらすべてが、最終的にはオーバーヘッドプレスの重量アップにつながるのです。

「補助トレーニング」と聞くと、メイン種目よりも重要度が低いと思われがち。
しかし実際には、土台を固める重要な役割を担っています。
家を建てるとき、基礎工事を疎かにすれば、どんなに立派な柱を立てても倒れてしまうもの。
筋トレも同じなのです。

ここでは、オーバーヘッドプレスのパフォーマンスを最大化するための4つのカテゴリーに分けて、具体的な補助種目を紹介していきます。

  • 三角筋の各部位を強化する補助種目
  • 肩甲骨周りの筋肉を鍛える種目
  • 上腕三頭筋を強化する種目
  • 体幹・安定性を高めるトレーニング

三角筋の各部位を強化する補助種目

オーバーヘッドプレスは三角筋全体を鍛える優れた種目ですが、前部と中部に負荷が集中しがち。
バランスの良い肩を作るには、各部位を個別に強化する「アイソレーション種目」が役立ちます。

サイドレイズで三角筋中部を集中強化

肩幅を広く見せるために最も重要なのが、三角筋の中部。
サイドレイズは、この部位をピンポイントで刺激できる代表的な種目です。

やり方は、ダンベルを体の横で持ち、肩の高さまで横に持ち上げるだけ。
シンプルですが、いくつか注意点があります。
まず、重量は軽めに設定すること。
反動を使わず、ゆっくりとコントロールしながら上げ下ろしするのが効果的です。

肘は軽く曲げたまま固定し、「肘で天井を押す」イメージで持ち上げましょう。
小指側を少し高くする(親指を下に向ける)と、三角筋中部への刺激がさらに高まります。

ただし、前述の通りサイドレイズでは肩甲骨がほとんど動きません。
オーバーヘッドプレスと組み合わせることで、この欠点を補えるわけです。
週に2回、10〜15回×3セットを目安に取り入れましょう。

フロントレイズで三角筋前部をさらに追い込む

オーバーヘッドプレスで十分刺激されている部位ですが、さらに厚みを出したい場合に有効。
ダンベルやバーベルを体の前で持ち、肩の高さまで前方に持ち上げます。

ベンチプレスを頻繁に行っている方は、三角筋前部が既に疲労している可能性も。
その場合、フロントレイズは省略してもOK。
むしろ、後部や中部に時間を使った方がバランスが取れます。

リアレイズで三角筋後部を忘れずに

最も見落とされがちなのが、三角筋の後部。
しかし、この部位が発達していないと、肩が前方に巻き込んでしまい(巻き肩)、姿勢が悪く見えてしまいます。

ベンチに腹ばいになるか、立った状態で上体を前傾させ、ダンベルを後方に向かって持ち上げます。
このとき、肩甲骨を寄せすぎないよう注意。
背中の筋肉ではなく、肩の後ろを使っている感覚を掴みましょう。

軽い重量で15〜20回×3セットを丁寧に行うことで、肩の立体感が増し、姿勢改善にもつながります。

フェイスプルで後部と肩甲骨周りを同時に

ケーブルマシンやゴムバンドを使った種目。
ロープを顔の高さに向かって引き寄せる動作で、三角筋後部と僧帽筋中部を効率的に鍛えられます。

肘を高く保ったまま、ロープを鼻のあたりに引き寄せ、最後に外側にひねる動作を加えると、肩の外旋筋群(ローテーターカフ)も刺激できる一石二鳥の種目。

高回数(15〜20回×3セット)で行うことで、肩の安定性と健康維持に大きく貢献します。

トレーニング仲間を見つけるなら「トレマッチ」

オーバーヘッドプレスは、正しいフォームの習得と継続的なモチベーション維持が成功の鍵。
しかし、一人でのトレーニングでは、フォームチェックが難しかったり、サボりたくなる日もあるでしょう。

そんな悩みを解決するのが「トレマッチ」。
同じ目標を持つトレーニング仲間と出会えるマッチングサービスです。
近くのジムで一緒にトレーニングできるパートナーを見つけたり、情報交換できる仲間とつながったり。
互いに励まし合いながら成長できる環境が手に入ります。

フォームを確認し合ったり、補助についてもらったり、停滞期のアドバイスをもらったり。
仲間がいれば、トレーニングの質が格段に向上します。
一人では挫折しそうなときも、仲間がいれば乗り越えられるはず。

理想の肩を手に入れる第一歩として、ぜひ「トレマッチ」でトレーニング仲間を見つけてみませんか。

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著者・監修者

株式会社TSS 代表/現役歯科医師/フィジーク選手。
臨床に携わる傍ら筋トレに打ち込み、競技フィジークで2024年・2025年神奈川県マスターズフィジーク第3位入賞。
経験を重ねる中で「トレーニングは一人よりもパートナーと共に行うことで質が大きく向上する」と確信するも、信頼できる仲間を見つけられる環境が整っていない現状を痛感。
その課題を解決すべく、トレーニー同士をつなぐマッチングアプリ「トレマッチ」を立ち上げ、合トレのパートナー探しを支援。

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この記事を書いた人
トレマッチ 編集部
切磋琢磨できるトレーニング仲間が見つかる「トレマッチ」の編集部。
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