スカルクラッシャーとは?正しいやり方や重量が伸びない原因を徹底解説!

「腕を太くしたいのに、なかなか成果が出ない…」そんな悩みを抱えていませんか?

実は、腕の筋肉の約3分の2を占めるのは上腕二頭筋ではなく、上腕三頭筋なんです。太くたくましい腕を手に入れるには、この上腕三頭筋をしっかり鍛えることが欠かせません。

そこで今回紹介するのが「スカルクラッシャー」というトレーニング。上腕三頭筋を集中的に鍛えられる種目として、初心者からベテランまで幅広く取り入れられています。ただし、正しいフォームで行わないと肘を痛めてしまうリスクもあるため、適切なやり方を理解することが重要です。

この記事では、スカルクラッシャーの基本的なやり方から、重量が伸びない原因とその対策まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説していきます。

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目次

スカルクラッシャーとは上腕三頭筋を集中的に鍛えるトレーニング

スカルクラッシャーは、フラットベンチに仰向けになり、バーベルやEZバーを使って肘の曲げ伸ばしを行うトレーニング。その名前の通り、額(おでこ)に向かってバーを下ろす動作が特徴的です。

ベンチに寝た状態で行うため姿勢が安定しやすく、上腕三頭筋に集中して負荷をかけられる点が大きなメリット。肘を固定したまま前腕だけを動かすことで、上腕三頭筋に強い刺激を与えることが可能です。正しいフォームで行えば、他の上腕三頭筋トレーニングよりも高重量を扱うこともできます。

スカルクラッシャーで鍛えられる主な筋肉

上腕三頭筋は、長頭・外側頭・内側頭の3つの部位から構成されています。スカルクラッシャーではこれらすべてに刺激を与えられますが、特に効果が高いのは外側頭です。

筋肉名主な働き効果
上腕三頭筋・長頭肩関節の伸展・肘の伸展腕の太さ・厚みアップ
上腕三頭筋・外側頭肘の伸展補助腕の輪郭をシャープに
上腕三頭筋・内側頭安定性維持肘のブレ防止・姿勢安定

長頭は上腕三頭筋の中で最も大きな部位で、肘だけでなく肩関節の動きにも関わるため、腕全体のボリュームアップに貢献します。外側頭は腕の外側に位置し、スカルクラッシャーで中心的に鍛えられる部位。引き締まったメリハリのある腕を作るのに欠かせません。内側頭は肘に近い部分を支える筋肉で、動作中の肘のブレを防ぎ、正しいフォームを維持するために重要な働きをします。

スカルクラッシャーの別名

スカルクラッシャーは、その動作の特徴から複数の呼び名で知られています。

最も一般的な別名は「ライイング・エクステンション」で、「寝た状態で行う伸展運動」という意味です。また「フレンチプレス」という別名も存在しますが、厳密にはバーを額に下ろすのがスカルクラッシャー、頭の後ろに下ろすのがフレンチプレスと区別されることもあります。

腕を太く・強く・美しくする効果

スカルクラッシャーを継続的に行うことで、次のような効果が期待できます。

まず最も大きな効果は腕の太さの向上です。上腕三頭筋は腕の筋肉の約3分の2を占めるため、この部位を鍛えることで腕全体が太くなります。次に、プレス系種目のパフォーマンス向上も見逃せません。ベンチプレスやショルダープレスなど、腕を伸ばす動作を含む種目で扱える重量も自然と伸びていくでしょう。

また、腕の輪郭がシャープになる効果もあります。特に外側頭が発達すると、Tシャツを着たときのシルエットが格段に良くなるはず。女性にとっては、二の腕の引き締め効果も期待でき、気になるたるみを改善できます。

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スカルクラッシャーの正しいやり方を解説

ここからは、スカルクラッシャーの具体的な手順を詳しく見ていきましょう。正しいフォームを身につけることが、効果を最大化し、怪我を防ぐための第一歩です。

  • ベンチに仰向けで寝てバーベルを胸の上で持ち上げる
  • バーをゆっくり額の方向に下ろす
  • 肘を伸ばして元の位置に戻す

ベンチに仰向けで寝てバーベルを胸の上で持ち上げる

まずはフラットベンチに仰向けになりましょう。このとき、足を床にしっかりとつけて体を安定させることが大切です。頭はベンチの端に少しはみ出るくらいの位置に置くと、バーを下ろしたときの可動域が広がります。

次にバーベルまたはEZバーを握ります。手幅は肩幅よりもやや狭めが基本。EZバーを使う場合は、内側のハの字になっている部分を順手で握ると手首への負担を軽減できます。

バーを持ったら、膝で蹴り上げるようにして補助しながらバーを持ち上げましょう。腕を伸ばしてバーを胸の真上よりも少し頭側に傾けた位置でセット。肘を軽く曲げた状態で上腕を垂直に構えます。完全に肘を伸ばし切らず、わずかに余裕を持たせることで上腕三頭筋に負荷がかかり続けます。

バーをゆっくり額の方向に下ろす

スタートポジションから、息を吸いながらゆっくりとバーを額の方向へ下ろしていきます。

このとき最も重要なのが、肘を固定して動かさないこと。肘の位置を変えずに、前腕だけを曲げるイメージで動作を行ってください。肘が前後に動いてしまうと、上腕三頭筋から負荷が逃げてしまいます。

バーは額の少し上あたりまで下ろすのが目安。勢いあまって額にぶつけないよう注意が必要です。下ろす動作は1〜2秒かけてゆっくりと。反動を使わず、重さを感じながらコントロールすることが大切です。また、肘が外側に開かないよう注意してください。脇を締めて肘を閉じた状態を保つことで、上腕三頭筋にしっかり負荷が乗ります。

肘を伸ばして元の位置に戻す

バーを額まで下ろしたら、今度は息を吐きながら肘を伸ばしていきます。上腕三頭筋を収縮させることを意識しながら、ゆっくりとスタートポジションまで戻しましょう。この上げる動作でも、肘の位置は固定したまま前腕だけを動かすイメージです。

トップポジションでは、肘を完全に伸ばし切ることで上腕三頭筋を強く収縮させることができます。ただし、肘を伸ばし切って関節にロックをかけてしまうと筋肉から負荷が抜けてしまうため、ほんのわずかに余裕を残すのがポイントです。

目安は10〜15回を3〜4セット。呼吸のタイミングは、バーを下ろすときに息を吸い、上げるときに息を吐くのが基本。全体を通して、ゆっくりとした動作を意識することが成功のカギです。

スカルクラッシャーの器具別バリエーション

スカルクラッシャーは、使用する器具によってさまざまなバリエーションがあります。それぞれに特徴があり、トレーニングの目的や経験レベルに応じて選ぶことが可能です。

バリエーション名使用器具特徴おすすめ対象
ダンベルスカルクラッシャーダンベル各腕を独立して動かせるため可動域が広く、肘や手首にやさしい初心者/女性トレーニー
EZバー・バーベルスカルクラッシャーEZバー or バーベル高重量を扱いやすく、筋肥大に最も効果的中級者以上
ケーブルスカルクラッシャーケーブルマシン動作中ずっとテンションがかかり、一定の負荷を維持できる関節に不安のある人
インクラインスカルクラッシャーダンベル+インクラインベンチ三頭筋長頭を最大伸展位で刺激できる上級者/筋肥大目的
スミスマシンスカルクラッシャースミスマシン軌道が安定し、フォーム崩れを防止できる初心者/フォーム確認中の人
フレンチプレス(立位/座位)ダンベル or EZバー可動域が広く、三頭筋全体をバランスよく刺激バランスよく鍛えたい人

ダンベルスカルクラッシャーは、初心者や女性トレーニーに特におすすめ。左右の腕を独立して動かせるため、バーベルよりも可動域が広く、手首や肘への負担も少ないのが特徴です。

EZバー・バーベルスカルクラッシャーは基本形態で、高重量を扱いやすく、筋肥大に最も効果的なバリエーション。EZバーはW字型に曲がっているため、手首への負担が少なく自然な角度で握れます。

ケーブルスカルクラッシャーは、動作中ずっとテンションがかかり続けるのが最大の特徴。関節に不安のある方にもおすすめです。

インクラインスカルクラッシャーは上級者向けで、ベンチに角度(10〜20度が目安)をつけることで、上腕三頭筋の長頭を最大伸展位で刺激できます。

スミスマシンスカルクラッシャーは軌道が固定されているため、フォームが崩れにくく、初心者でも安全に行えます

フレンチプレスは立った状態や座った状態で行い、スカルクラッシャーよりも可動域が広く、上腕三頭筋全体をバランスよく刺激できます。

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スカルクラッシャーの重量設定の目安

スカルクラッシャーで効果を出すためには、適切な重量設定が欠かせません。自分のレベルに合った重量を選ぶことで、安全かつ効果的に上腕三頭筋を鍛えることができます。

レベル使用器具重量目安特徴と目的
初心者ダンベル or EZバー5〜10kg(片手あたり2〜5kg)フォーム習得・関節への慣らし期間
中級者EZバー/バーベル15〜25kg前後筋肥大・ボリュームアップ狙い
上級者バーベル/スミスマシン30kg以上高負荷トレ・出力強化
女性トレーニーダンベル or ケーブル2〜6kg前後二の腕引き締め・代謝UP目的

初心者の方は、まず5〜10kg程度から始めましょう。この段階での最優先事項は、正しいフォームの習得と関節への慣らし期間を設けること。軽めの重量で”効かせる感覚”を掴むことが重要です。

中級者は15〜25kg前後を目安に、筋肥大とボリュームアップを狙った本格的なトレーニングが可能です。ベンチプレスの重量の30〜50%程度が適正範囲の目安となります。

上級者は30kg以上の高重量を扱うこともありますが、反動を使わず可動域をフルに使うことは絶対条件。補助者をつけることも検討してください。

女性トレーニーは2〜6kg前後から始め、軽負荷でテンポを意識したトレーニングが効果的。回数を多めに設定し(15〜20回程度)、セット間の休憩を短くすることで脂肪燃焼効果も高められます。

重量設定を失敗しない3つのコツ

  • 肘の角度を保てる重量に抑える
  • 最後の2回がギリギリの重量を選ぶ
  • フォーム維持を優先し、重量は段階的に増やす

肘の角度を保てる重量に抑えることが最も重要です。肘が前後に動いたり外側に開いてしまう場合は、明らかに重量が重すぎるサイン。正しいフォームで軽い重量を扱う方が、フォームが崩れた状態で重い重量を扱うよりも、はるかに効果が高いのです。

理想的な重量の目安は、「最後の2回がギリギリで、フォームをなんとか保てる程度」。12回を目標にするなら、10回目あたりから「きつい」と感じ始め、11回目、12回目がかなり辛いという状態が理想的です。

重量を増やすタイミングは、3セットすべてで目標回数以上をクリアでき、かつフォームが完璧に保てている状態が2〜3回のトレーニングで続いたとき。一気に増やすのではなく、2.5kg程度ずつ段階的に増やしていくのが安全です。

スカルクラッシャーで重量が伸びない原因

「スカルクラッシャーを続けているのに、なかなか重量が伸びない…」そんな悩みを抱えていませんか?多くの場合、フォームの問題、トレーニングプログラムの組み方、回復不足のいずれかに原因が潜んでいます。

  • フォームが崩れて三頭筋に正しく効いていない
  • 負荷設定やトレーニングの組み方に問題がある
  • オーバーワーク気味で筋肉が成長できていない

フォームが崩れて三頭筋に正しく効いていない

重量が伸びない最も多い原因が、フォームの崩れです。間違ったフォームでいくら頑張っても、上腕三頭筋に適切な刺激が入らず、筋力は向上しません。

典型的なフォームミスは、肘が開いてしまうこと、肘の位置が動いてしまうこと、反動を使っていること、可動域が狭いことです。鏡を見ながら動作を確認したり、スマホで動画を撮影して自分のフォームをチェックすることをおすすめします。

負荷設定やトレーニングの組み方に問題がある

フォームは正しいのに重量が伸びない場合、トレーニングプログラム自体に問題がある可能性があります。

重量が軽すぎる(15回以上余裕でできる)場合も、重すぎる(5回もできない)場合も問題。適切な重量範囲は8〜15回です。また、週に2回程度のトレーニングで、1回あたり3〜4セット行うのが理想的。何ヶ月も同じ重量で同じ回数をこなしていては筋肉は成長しないため、徐々に負荷を増やしていく「プログレッシブオーバーロード」の原則を意識しましょう。

オーバーワーク気味で筋肉が成長できていない

トレーニングのやりすぎも重量が伸びない原因になります。筋肉は休息中に成長するため、適切な回復時間がなければ筋力は向上しません。

上腕三頭筋の回復には48〜72時間程度必要。

週に2〜3回程度のトレーニングが理想的で、間に1〜2日の休息日を設けましょう。また、ベンチプレスやショルダープレスなどのプレス系種目でも上腕三頭筋は使われるため、全体のトレーニングスケジュールを見直すことも大切です。睡眠(7〜8時間が理想)と栄養(体重1kgあたり1.5〜2gのタンパク質)も忘れずに。

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スカルクラッシャーで肘が痛い理由とその対処法

スカルクラッシャーを行っていて肘に痛みを感じる方は少なくありません。肘が痛くなる主な原因は、フォームの崩れ、使用器具が体に合っていないこと、そしてオーバーワークの3つです。

対処法として最も重要なのは、正しいフォームの習得です。肘を肩の真下で固定し、動作中は絶対に動かさないこと。痛みがある場合は、まず重量を大幅に下げてください。

器具を変更するのも有効な対策で、EZバーやダンベルは手首や肘への負担が少ないためおすすめ。また、痛みが出ない範囲で可動域を調整したり、トレーニング頻度を週2回程度に抑えることも大切です。軽い重量でのトライセプスプッシュダウンなどで関節を温めてから本番のセットに入るウォーミングアップも忘れずに。痛みが続く場合は、無理をせずに医師や理学療法士に相談しましょう。

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スカルクラッシャーを正しく行うには合トレがおすすめ

スカルクラッシャーは正しいフォームで行えば非常に効果的なトレーニングですが、一人で行うとフォームの崩れに気づきにくいという課題があります。そこでおすすめなのが「合トレ(合同トレーニング)」です。

最大の利点は、互いにフォームをチェックできること。肘の位置が動いていないか、肘が開いていないかなど、自分では気づきにくいポイントを客観的に指摘してもらえます。また、補助(スポット)をつけられる点も見逃せません。スカルクラッシャーは額に向かってバーを下ろす種目のため、コントロールを失うと危険。合トレなら限界まで追い込みたいときでも安心です。さらに、モチベーションが維持しやすいのも合トレの魅力です。

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著者・監修者

株式会社TSS 代表/現役歯科医師/フィジーク選手。
臨床に携わる傍ら筋トレに打ち込み、競技フィジークで2024年・2025年神奈川県マスターズフィジーク第3位入賞。
経験を重ねる中で「トレーニングは一人よりもパートナーと共に行うことで質が大きく向上する」と確信するも、信頼できる仲間を見つけられる環境が整っていない現状を痛感。
その課題を解決すべく、トレーニー同士をつなぐマッチングアプリ「トレマッチ」を立ち上げ、合トレのパートナー探しを支援。

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この記事を書いた人
トレマッチ 編集部
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