「懸垂ができるようになりたい!」そう思ったことはありませんか?自分の体重を引き上げる懸垂は、背中を鍛えるトレーニングとして非常に効果的です。中でも「チンニング」と呼ばれる逆手での懸垂は、上腕二頭筋も同時に鍛えられるため、初心者の方でも比較的取り組みやすいトレーニング方法として注目されています。
チンニングをマスターすれば、たくましい背中や引き締まった二の腕を手に入れることができます。また、大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、ダイエット効果も期待できるでしょう。
本記事では、チンニングの正しいやり方や、上達のコツについて詳しく解説していきます。「懸垂なんて自分にはできない」と思っている方も、段階的な練習方法を知ることで、必ずできるようになるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
チンニングとは広背筋を中心に鍛える逆手懸垂
チンニングについて、以下の2つのポイントから詳しく見ていきましょう。
- 逆手の懸垂で上腕二頭筋と広背筋を同時に鍛えられる
- プルアップとの違いはどの筋肉を主に使うかにある
逆手の懸垂で上腕二頭筋と広背筋を同時に鍛えられる
チンニングとは、手のひらが自分の方を向く「逆手(アンダーグリップ)」でバーを握って行う懸垂のことです。この逆手という握り方が、チンニングの大きな特徴といえます。
逆手でバーを握ることで、背中にある広背筋だけでなく、腕の力こぶにあたる上腕二頭筋も積極的に使われます。つまり、チンニングは背中と腕を同時に鍛えられる、非常に効率の良いトレーニング方法なのです。
広背筋は背中の大部分を占める大きな筋肉で、ここを鍛えることで逆三角形のたくましい背中を作ることができます。また、大きな筋肉を動かすことで基礎代謝が向上し、太りにくい体づくりにもつながるでしょう。
上腕二頭筋は「力こぶ」として知られる筋肉で、引き締まった二の腕を手に入れたい方には欠かせない部位。チンニングでは、体を引き上げる動作の中で自然とこの筋肉が鍛えられます。
このように、チンニングは一度の動作で複数の筋肉群を効率よく刺激できる優れたトレーニングといえます。
プルアップとの違いはどの筋肉を主に使うかにある
懸垂には「チンニング」と「プルアップ」という2つの種類があることをご存じでしょうか。どちらも体を引き上げる動作は同じですが、バーの握り方によって呼び方が変わり、鍛えられる筋肉にも違いが生まれます。
プルアップは、手の甲が自分の方を向く「順手(オーバーグリップ)」でバーを握って行う懸垂のこと。順手で握ることで、腕の力よりも背中の筋肉を主体として使うことになります。
具体的には、プルアップでは広背筋の外側や肩甲骨周りの筋肉がより強く刺激されます。背中の横幅を広げたい、くびれとのメリハリをつけたいという場合には、プルアップが効果的です。
一方、チンニングは逆手で握るため、背中の筋肉に加えて上腕二頭筋の関与が大きくなります。また、広背筋の中でも中央から下部にかけての部分に刺激が入りやすいという特徴があるのです。
さらに、初心者の方にとって重要なポイントがあります。それは、チンニング(逆手)の方がプルアップ(順手)よりも体を引き上げやすいということ。これは、腕の筋肉をより使えるため、初めて懸垂に挑戦する方でも比較的取り組みやすいからです。
「懸垂をマスターしたいけれど、まだ一度もできたことがない」という方は、まずチンニングから始めてみることをおすすめします。チンニングで基礎的な筋力をつけてから、プルアップに挑戦するという段階的なアプローチが効果的でしょう。
このように、チンニングとプルアップは握り方の違いによって鍛えられる部位や難易度が異なります。自分の目的やレベルに合わせて、適切な方法を選ぶことが大切です。
チンニングは効果がすごい!
チンニングには、体づくりや健康面で非常に多くのメリットがあります。ここでは、チンニングを続けることで得られる具体的な効果について詳しく見ていきましょう。
まず、チンニングの最大の魅力は、背中全体をバランスよく鍛えられることです。メインで鍛えられるのは広背筋という背中の大きな筋肉ですが、それだけではありません。首から背中にかけて広がる僧帽筋や、広背筋の上部に位置する大円筋といった、背中全体の筋肉が同時に刺激されます。このように複数の筋肉を一度に鍛えられるため、非常に効率的なトレーニングといえるでしょう。
広背筋が発達すると、男性であれば逆三角形のたくましい背中を手に入れることができます。女性の場合も、背中が引き締まることでウエストとのメリハリが生まれ、スタイルアップ効果が期待できるのです。また、服を着たときのシルエットが格段に美しくなり、Tシャツやタンクトップといったカジュアルな服装も格好良く着こなせるようになります。
次に注目したいのが、姿勢改善の効果。現代社会では、デスクワークやスマートフォンの使用により、前かがみの姿勢になりがちです。この状態が続くと、いわゆる「巻き肩」や「猫背」といった悪い姿勢が定着してしまいます。
チンニングでは、体を引き上げる際に自然と胸を張る動作が必要です。この動きによって背中の筋肉が強化され、背筋を伸ばした状態を保ちやすくなります。結果として、日常生活における姿勢が改善され、巻き肩や猫背の解消にもつながるのです。姿勢が良くなれば、見た目の印象が良くなるだけでなく、肩こりや腰痛といった不調の改善も期待できます。
さらに、チンニングはダイエットにも効果的。背中には広背筋をはじめとする大きな筋肉が集まっているため、これらを鍛えることで基礎代謝が向上します。基礎代謝とは、何もしていない状態でも消費されるエネルギーのこと。筋肉量が増えれば基礎代謝が上がり、太りにくく痩せやすい体質になっていくのです。
また、チンニングは複数の大きな筋肉を同時に使うトレーニングのため、運動中の消費カロリーも高くなります。効率的にカロリーを消費できるという点でも、ダイエットを目指す方には最適なトレーニング方法といえるでしょう。
このように、チンニングには見た目の変化だけでなく、健康面でも多くのメリットがあります。理想の体づくりと健康維持を同時に実現できる、まさに一石二鳥のトレーニングなのです。
チンニングができない理由
チンニングに挑戦してみたものの、うまくできなかったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。実は、チンニングができない背景には、いくつかの明確な理由があります。
ここでは、その主な原因について詳しく見ていきましょう。
- 肩から動かせていない
- 背中や腕の筋力不足
- チンニングに挫折してしまう
- ネガティブ動作を重点的に取り入れてあげる力をつける
肩から動かせていない
チンニングができない理由として、意外と見落とされがちなのが「肩の使い方」です。多くの初心者の方は、腕の力だけで体を引き上げようとしてしまいます。しかし、これが大きな間違いなのです。
正しいチンニングでは、肩甲骨から動かすことが非常に重要。具体的には、バーにぶら下がった状態から、まず肩甲骨を下方に引き下げる動作が必要になります。この動きができていないと、肩がすくんでしまい、本来使うべき背中の筋肉をうまく使えません。
肩がすくんだ状態で無理に体を引き上げようとすると、肩関節に過度な負担がかかってしまいます。これは怪我のリスクを高めるだけでなく、チンニングの効果も大幅に減少させてしまうのです。
肩甲骨を意識的に下げることで、背中の大きな筋肉が正しく働き始めます。「肩を耳から遠ざけるイメージ」を持つと、正しい姿勢を作りやすくなるでしょう。まずはバーにぶら下がった状態で、この肩甲骨の動きを練習することをおすすめします。
背中や腕の筋力不足
チンニングができない最も基本的な理由は、シンプルに筋力が足りていないことです。これは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、ごく自然なことといえます。
チンニングでは、自分の体重を引き上げる必要があります。一般的に、懸垂では体重の約75%相当の重さを持ち上げる筋力が必要だといわれています。例えば、体重が60kgの方であれば、約45kgの重量を引き上げられる筋力が求められるのです。
この数値を見ると、かなりの筋力が必要だとお分かりいただけるのではないでしょうか。日常生活では、自分の体重を引き上げるような動作をほとんど行いません。そのため、特別なトレーニングをしていない限り、チンニングに必要な筋力が自然に備わっているケースは稀なのです。
特に、広背筋や上腕二頭筋といったチンニングで主に使う筋肉が十分に発達していないと、完全な形でのチンニングは困難。また、体重と筋肉量のバランスも重要な要素です。体重が重ければ重いほど、引き上げるために必要な筋力も大きくなります。
ただし、筋力不足は段階的なトレーニングによって必ず改善できます。焦らず、自分のレベルに合った練習方法から始めることが大切です。
チンニングに挫折してしまう
身体的な問題に加えて、多くの方が直面するのが心理的な壁。「チンニングは難しい」「自分には無理だ」という思い込みが、上達を妨げているケースは少なくありません。
特に、一度チャレンジして失敗した経験があると、その記憶が強く残ってしまいます。「前にできなかったから、今回もきっとできない」という先入観が、再挑戦への意欲を削いでしまうのです。
また、周りの人が簡単そうにチンニングをこなしている姿を見ると、「自分だけができない」と感じて自信を失ってしまうこともあるでしょう。しかし、実際には、多くの人が最初は苦戦しています。特に女性の場合、1回もできない方がほとんどといっても過言ではありません。
挫折してしまう原因の多くは、誤ったフォームや練習方法にあります。正しいやり方を知らないまま、闇雲に練習を続けても、なかなか成果が出ません。この状態が続くと、「やっぱり自分には無理だ」と諦めてしまいがちなのです。
このような心理的な壁を乗り越えるためには、正しい知識を身につけることが重要。可能であれば、パーソナルトレーナーなど専門家の指導を受けることで、効率的に上達できます。客観的なアドバイスをもらうことで、「できない」という思い込みから抜け出せるはずです。
ネガティブ動作を重点的に取り入れてあげる力をつける
チンニングができない方の多くは、体を引き上げる「上げる動作」ばかりに注目してしまいがち。しかし、実は体を下ろす「下げる動作」も非常に重要なのです。
この下げる動作は「ネガティブ動作」と呼ばれ、筋肉に強い刺激を与えることができます。興味深いことに、私たちの筋肉は、上げる動作よりも下げる動作の方が大きな力を発揮できる特性を持っています。つまり、体を引き上げることはできなくても、ゆっくりと体を下ろすことはできる可能性があるのです。
ネガティブ動作を重点的に練習することで、チンニングに必要な筋力とフォームを効率的に身につけることができます。具体的な方法としては、台や椅子を使ってバーの上まで上がり、そこから3〜4秒かけてゆっくりと体を下ろしていく練習が効果的。
この下ろす動作をコントロールすることで、広背筋や上腕二頭筋に十分な負荷がかかり、筋力がついていきます。最初は早く下りてしまっても問題ありません。練習を重ねるうちに、徐々にゆっくりと下ろせるようになり、それに伴って引き上げる力も自然とついてくるのです。
ネガティブ動作の練習は、通常のチンニングができない方にとって、非常に有効なステップアップの方法。焦らず、まずは下げる動作をマスターすることから始めてみましょう。
チンニングの正しいやり方とフォームのコツ
チンニングは複数の関節を使う複雑なトレーニングのため、正しいフォームで行うことが非常に重要です。間違ったフォームで続けると、効果が半減するだけでなく、肩や腕を痛めてしまうリスクも高まります。ここでは、チンニングの正しいやり方を段階的に解説していきましょう。
- バーを肩幅より広めに握り肩甲骨を下げて準備
- 胸を張り、背中を使ってゆっくり体を引き上げる
- 顎がバーを超えたら1秒キープしゆっくり下ろす
バーを肩幅より広めに握り肩甲骨を下げて準備
チンニングの成功は、準備段階から始まります。まず、バーの握り方と手幅を確認しましょう。
チンニングでは、手のひらが自分の方を向く逆手(アンダーグリップ)でバーを握ります。手幅は肩幅より少し広めが基本。具体的には、肩幅の1.2〜1.5倍程度を目安にすると良いでしょう。あまり広すぎると腕に負担がかかりすぎますし、狭すぎると可動域が制限されてしまいます。
バーを握る際は、強く握りしめすぎないことがポイント。力を入れすぎると前腕が疲れてしまい、本来鍛えたい背中の筋肉を十分に使えなくなります。軽く握る程度で十分です。
そして最も重要なのが、肩甲骨の位置。バーにぶら下がった時点で、意識的に肩甲骨を下方に引き下げましょう。多くの初心者が陥りやすいのが、力んで肩をすくめてしまうこと。これでは肩関節に過度な負担がかかり、背中の筋肉も効果的に使えません。
肩甲骨を下げるコツは、「肩を耳から遠ざけるイメージ」を持つこと。肩と耳の間に十分な空間ができるよう意識すると、自然と正しい姿勢が作れます。この状態をキープしながら、次の動作に移りましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、バーにぶら下がった状態で肩甲骨の上げ下げを繰り返し練習すると、徐々に感覚がつかめてくるはずです。
胸を張り、背中を使ってゆっくり体を引き上げる
準備が整ったら、いよいよ体を引き上げていきます。この動作で意識すべきポイントがいくつかあります。
まず、引き上げる前に胸を張りましょう。鎖骨と胸を天井に向けるイメージを持つと、自然と正しい姿勢が作れます。目線は斜め上に向けると、姿勢を維持しやすくなるでしょう。ただし、腰を反らしすぎないよう注意が必要です。
引き上げる際の最大のポイントは、腕の力だけに頼らないこと。「背中の筋肉で体を引き寄せる」という意識を強く持ちましょう。具体的には、肩甲骨を背骨の方に寄せながら引き上げるイメージです。
動作のスピードも重要な要素。反動をつけて勢いよく引き上げるのではなく、2〜3秒かけてゆっくりと引き上げていきます。ゆっくりとした動作によって、筋肉に十分な刺激を与えることができるのです。
引き上げる軌道は、できるだけ垂直を意識しましょう。体を斜めに引き上げてしまうと、背中への刺激が分散してしまいます。ただし、完全に垂直でなくても、やや斜めになる程度であれば問題ありません。
最初は思うように引き上げられないかもしれませんが、それは正常なこと。少しずつ可動域を広げていく気持ちで取り組むことが大切です。
顎がバーを超えたら1秒キープしゆっくり下ろす
引き上げの目標は、顎がバーの高さを超えるところまで。これが、チンニング1回を完了したと判断できる基準です。
顎がバーを超えたら、その位置で1秒ほどキープしましょう。このキープ動作により、筋肉への刺激が増し、より効果的なトレーニングになります。キープする際も、肩がすくまないよう注意が必要です。
そして、体を下ろす動作も非常に重要。ここで手を抜いてはいけません。一気に下ろすのではなく、3〜4秒かけてゆっくりとコントロールしながら下ろしていきます。
この下ろす動作(ネガティブ動作)は、実は上げる動作と同じくらい、あるいはそれ以上に筋肉に刺激を与えます。重力に逆らいながらゆっくりと下ろすことで、筋肉が伸びながら力を発揮する状態(エキセントリック収縮)になり、筋力向上に非常に効果的なのです。
体を下ろす際も、肩甲骨の位置を意識し続けることが大切。最後まで気を抜かず、丁寧に動作を行いましょう。
完全に腕が伸びきったところまで下ろしたら、1回の動作が完了。ここからまた肩甲骨を下げた準備姿勢に戻り、次の1回に備えます。
最初は1回でも精一杯かもしれませんが、正しいフォームを意識しながら練習を続ければ、必ず回数は増えていきます。回数よりもフォームを優先し、質の高い動作を心がけることが、上達への近道なのです。
初心者でもできるようになる!チンニング練習法
「チンニングに挑戦したいけれど、まだ1回もできない」という方も安心してください。段階的な練習方法を取り入れることで、誰でも必ずチンニングができるようになります。ここでは、初心者の方におすすめの効果的な練習法をご紹介しましょう。
- ネガティブチンニングで背中の使い方を覚える
- チューブ補助でフォームを安定させる
- 半自重チンニングから始める
- 仲間とトレーニングする
ネガティブチンニングで背中の使い方を覚える
先ほども触れましたが、ネガティブチンニングは初心者の方にとって最も効果的な練習法の一つです。体を引き上げる力がまだない段階でも、下ろす動作であれば実践できる可能性が高いからです。
具体的な方法を詳しく見ていきましょう。まず、台や椅子を使ってバーの上部まで体を持ち上げます。この時点では、脚力を使って上がっても構いません。顎がバーより上にある状態からスタートです。
そこから、3〜4秒かけてゆっくりと体を下ろしていきます。重要なのは、重力に身を任せて一気に下りるのではなく、筋肉でコントロールしながら下ろすこと。背中の筋肉が伸びていく感覚を意識しましょう。
最初は2秒程度しか耐えられないかもしれません。それでも問題ありません。練習を重ねるうちに、徐々に長い時間コントロールできるようになっていきます。
このネガティブチンニングを繰り返すことで、チンニングに必要な筋力と、背中を使う感覚の両方を効率的に身につけることができるのです。目安としては、5〜8回を1セットとして、2〜3セット行うと良いでしょう。
ネガティブ動作に慣れてきたら、バーの下部で少しだけ体を引き上げてみましょう。ほんの数センチでも構いません。徐々に引き上げの動作も加えていくことで、完全なチンニングへとステップアップできます。
チューブ補助でフォームを安定させる
チンニングの練習をサポートする便利なアイテムが、チューブ(ゴムバンド)です。これは「チンニングバンド」や「アシストバンド」などと呼ばれ、体重の一部を補助してくれる優れもの。
使い方は簡単です。まず、バーにチューブを掛けて輪を作ります。その輪の中に片足、または両足を乗せた状態でチンニングを行うのです。チューブの弾力が体重をサポートしてくれるため、通常よりも軽い力で体を引き上げることができます。
チューブにはさまざまな強度のものがあります。最初は補助力が強い(太くて硬い)チューブから始めましょう。10回程度できる強度が目安です。慣れてきたら、徐々に弱い(細くて柔らかい)チューブに移行していきます。
チューブ補助の大きなメリットは、正しいフォームを保ちながら練習できること。補助がない状態だとフォームが崩れてしまいがちですが、チューブがあれば安定した姿勢で動作を繰り返せます。これにより、正しい動きを体に覚えさせることができるのです。
また、チューブの強度を段階的に変えることで、自分の成長を実感しやすいという利点もあります。「先月は強いチューブが必要だったけれど、今月は弱いチューブでできるようになった」という達成感は、モチベーション維持にもつながるでしょう。
多くのフィットネスショップやオンラインストアで購入できますので、自宅で練習したい方にもおすすめです。
半自重チンニングから始める
もう一つ効果的な練習法が、体重の一部だけを負荷として使う「半自重チンニング」。これは足台や踏み台を使って行う方法で、「斜め懸垂」とも呼ばれます。
この練習法は、ジムに設置されているスミスマシンやパワーラックを利用すると実践しやすいでしょう。バーを腰から胸の高さ程度に設定し、足を地面につけた状態で体を引き上げます。
体が斜めになっているため、引き上げる重量は自分の体重よりも軽くなります。バーの高さを調整することで、負荷を自由にコントロールできるのが大きな利点。最初は高めの位置から始め、慣れてきたら徐々にバーを低くしていきましょう。
自宅で練習する場合は、低めの鉄棒や頑丈なテーブルの端を利用することもできます。ただし、安全性には十分注意してください。
半自重チンニングでも、前章で解説した正しいフォームを意識することが重要です。肩甲骨を下げる、胸を張る、背中の筋肉を使うといったポイントは、通常のチンニングと変わりません。
この練習法の素晴らしい点は、完全なチンニングができなくても、同じような動きのパターンを体に覚えさせられること。筋力がついてきたら、自然と通常のチンニングに移行できるでしょう。
仲間とトレーニングする
技術的な練習法だけでなく、「誰と」トレーニングするかも実は重要な要素です。一人で黙々と練習するのも良いですが、仲間と一緒にトレーニングすることで得られるメリットがたくさんあります。
まず、モチベーションの維持がしやすくなります。「今日はトレーニングをサボりたいな」と思う日でも、約束があれば頑張れるもの。お互いに励まし合うことで、挫折しにくくなるのです。
また、客観的なフィードバックをもらえるのも大きな利点。自分では正しいフォームでできているつもりでも、実際には肩がすくんでいたり、体が斜めになっていたりすることがあります。仲間に見てもらうことで、自分では気づけない癖を指摘してもらえるでしょう。
さらに、仲間の上達を見ることも良い刺激になります。「あの人も最初はできなかったのに、今ではスムーズにできている」という姿を見れば、「自分も続ければできるようになる」という希望が持てるはずです。
ジムに通っている方は、同じようにチンニングを練習している人に声をかけてみるのも良いでしょう。SNSのフィットネスコミュニティに参加して、オンラインで仲間を見つけるのも一つの方法です。
もし身近に一緒に練習できる仲間がいない場合は、パーソナルトレーナーの指導を受けることも検討してみてください。プロの目で的確なアドバイスをもらえるだけでなく、定期的なセッションが練習の継続につながります。
チンニングの習得には時間がかかりますが、仲間と一緒であれば、その過程も楽しみながら続けられるはずです。
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今すぐ会員登録をするチンニングの効果を高めるレベル別トレーニングメニュー例
チンニングの上達には、自分のレベルに合ったトレーニングメニューを組むことが重要です。無理な負荷は怪我のリスクを高めますし、逆に負荷が軽すぎると効果が得られません。ここでは、レベル別のおすすめトレーニングメニューをご紹介します。
| レベル | 回数・セット数の目安 | 使用器具 |
|---|---|---|
| 初心者 | ネガティブ動作10回 × 2セット | チューブ・足台・固定バー |
| 初中級者 | チューブ補助チンニング8〜10回 × 3セット | チューブ・ベンチ |
| 中級者 | 自重チンニング10回 × 3セット | 懸垂バー(自重) |
| 上級者 | 加重チンニング6〜8回 × 4セット | ウェイトベルト・ダンベル |
初心者レベルでは、まだ通常のチンニングができない段階です。この時期は、ネガティブ動作(体を下ろす動作)を中心に練習しましょう。台を使ってバーの上まで上がり、そこからゆっくりと体を下ろす練習を繰り返します。最初は1セットだけでも構いません。筋肉痛が出るようであれば、2〜3日空けて次の練習を行いましょう。
初中級者レベルに入ると、チューブの補助を使えば数回のチンニングができるようになります。この段階では、正しいフォームを身につけることが最優先。回数にこだわりすぎず、1回1回を丁寧に行うことを心がけてください。セット間の休憩は2〜3分程度取ると良いでしょう。
中級者レベルでは、補助なしで自重のチンニングが10回程度できるようになっています。この段階に達したら、フォームの安定性を高めながら、徐々にセット数を増やしていきます。また、グリップ幅を変えてみるなど、バリエーションを加えることで、背中全体をバランスよく鍛えることができるでしょう。
上級者レベルになると、自重だけでは負荷が物足りなくなってきます。この段階では、ウェイトベルトにプレートをつけたり、ダンベルを足に挟んだりして重量を加えます。加重チンニングは非常に負荷が高いため、無理をせず、フォームを崩さない範囲で行うことが大切です。
これらのメニューはあくまで目安。個人差がありますので、自分の体調や筋力レベルに合わせて調整してください。また、トレーニングの頻度は週に2〜3回程度が理想的です。筋肉の回復には48〜72時間かかるため、毎日行うのではなく、適切な休息を取ることも重要なポイントといえます。
チンニングを上達させるなら合トレが効果的
チンニングの上達を加速させる方法として、ぜひ取り入れていただきたいのが「合トレ」です。合トレとは、仲間と一緒に合同でトレーニングを行うこと。一人で黙々と練習するのも良いですが、仲間と一緒にトレーニングすることで、想像以上の効果が得られます。
まず、合トレの最大のメリットは、モチベーションを維持しやすいことでしょう。チンニングの習得には時間がかかります。「今日はもう疲れたから休みたい」「なかなか上達しないから諦めようかな」と思う瞬間は、誰にでも訪れるもの。しかし、仲間との約束があれば、そんな気持ちを乗り越えられます。
また、お互いに励まし合うことで、精神的なサポートにもつながります。「もう1回頑張ってみよう」「前回よりも良くなってるよ」といった声かけは、一人では得られない大きな力になるはずです。
合トレのもう一つの利点は、客観的なアドバイスをもらえること。自分では正しいフォームでできているつもりでも、実際には肩がすくんでいたり、体の軸が曲がっていたりすることがあります。仲間に動作を見てもらうことで、自分では気づけない問題点を指摘してもらえるでしょう。
スマートフォンで動画を撮影し合うのも効果的な方法です。自分の動きを客観的に確認できるため、フォームの改善点が明確になります。「こんなフォームになっていたのか」という気づきは、上達への大きなヒントになるはずです。
さらに、仲間の成長を見ることも良い刺激になります。「あの人も最初はできなかったのに、今では連続で10回できるようになった」という姿を目の当たりにすれば、「自分も続ければできる」という希望が湧いてくるでしょう。逆に、自分が先に上達すれば、仲間にアドバイスすることで、さらに理解が深まります。
合トレを始める方法はいくつかあります。ジムに通っている方は、同じようにチンニングを練習している人に声をかけてみるのが手軽。「一緒に練習しませんか」と誘えば、快く応じてくれる方も多いはずです。
職場や学校の友人を誘うのも良い方法といえます。「一緒に体を鍛えよう」と提案すれば、意外と興味を持ってくれる人がいるかもしれません。共通の目標に向かって努力することで、友情も深まるでしょう。
オンラインでトレーニング仲間を探すのも一つの手です。SNSのフィットネスコミュニティに参加したり、トレーニングアプリで同じ目標を持つ人とつながったりすることができます。直接会えなくても、進捗を報告し合うだけでも十分な刺激になるはずです。
もし身近に一緒に練習できる仲間が見つからない場合は、パーソナルトレーナーに指導を依頼するのもおすすめ。プロの目で的確なアドバイスをもらえるだけでなく、定期的なセッションがトレーニングの継続につながります。
チンニングは確かに難しいトレーニングですが、一人で抱え込む必要はありません。仲間と一緒に挑戦することで、挫折しにくくなり、上達のスピードも格段に上がるのです。ぜひ、合トレを取り入れて、楽しみながらチンニングをマスターしていきましょう。
「トレマッチ」で自分に合った合トレ仲間を見つけよう
「合トレ仲間を探したいけれど、どこで見つければいいかわからない」そんな方におすすめなのが、トレーニング仲間とマッチングできるサービス「トレマッチ」です。
トレマッチでは、同じ目標を持つトレーニング仲間を簡単に見つけることができます。チンニングを練習したい方同士でつながれば、お互いにフォームをチェックし合ったり、励まし合ったりしながら上達を目指せるでしょう。「今日はジムに行くのが面倒だな」という日も、仲間との約束があればモチベーションを保てます。
一人では続かなかったトレーニングも、仲間がいれば楽しく継続できるはず。ぜひトレマッチで、あなたにぴったりの合トレ仲間を見つけてみてください。